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B細胞免疫応答における鉄代謝制御と機能の解明

Research Project

Project/Area Number 22K07129
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 49070:Immunology-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

武藤 哲彦  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80343292)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2022)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Keywords鉄代謝 / B細胞 / Bach2
Outline of Research at the Start

鉄は生体に必須の微量金属である。老化に伴ってヘム代謝が低下した結果、免疫応答が不十分になる可能性が示唆されている。B細胞の分化および免疫応答における鉄代謝に関して、断片的な報告はあるがリンパ球に特有の機能は示されていない。そこで、B細胞応答における鉄の機能と代謝の転写調節機構の解明を本研究の目的とする。本研究から、効果的な免疫応答および、加齢による免疫応答の低下を改善する戦略の開発を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

鉄は生命に必須の微量金属であり、呼吸鎖の酸化還元酵素やDNA代謝(複製・修復)酵素などの活性中心となる。獲得免疫応答を担うBリンパ球(B細胞)は、抗原で活性化されると抗体を分泌する形質細胞へ最終分化を遂げる。このB細胞の活性化応答における鉄代謝に関しては、従来から断片的な報告があるものの、統合的かつリンパ球特有の機能は明らかにされていない。そこで本研究では、B細胞免疫応答での鉄代謝の全容および、その役割を解明することを目標としている。予備的な解析から、マウス成熟B細胞と形質細胞の定量的プロテオミクスを用い、鉄トランスポーターの発現が変化することを発見した。さらに本研究において、鉄の取り込み経路のひとつであるトランスフェリン受容体の発現を調べたところ、ナイーブB細胞が活性化する際に発現が誘導され、活性化B細胞から形質細胞へ分化する過程で、発現が低下することを見出した。この活性化B細胞から形質細胞への分化過程は、初代培養系で再現できる。このマウス脾臓B細胞の初代培養系で、細胞質における自由鉄量および、鉄を消費する細胞小器官であるミトコンドリアにおける自由鉄量を測定した結果、形質細胞分化過程で量がダイナミックに変化することを見出した。さらに、活性化B細胞と抗体分泌細胞との間で、細胞外から細胞内への鉄やヘムのトランスポーター及び、ミトコンドリア内への鉄トランスポーターの発現変化を明らかにできた。このとき、ミトコンドリアにおける代表的な鉄代謝であるヘム生合成系と鉄硫黄クラスター生合成系の遺伝子発現変化があることも見出した。これらの結果から、必須微量元素の代謝経路は、B細胞免疫応答における免疫代謝にも重要な役割を担っていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予備的な解析では、マウス成熟B細胞と形質細胞の定量的プロテオミクスを用い、鉄トランスポーターの発現が変化することを発見した。その結果を踏まえて本研究では、鉄の取り込み経路のひとつであるトランスフェリン受容体の発現を調べたところ、ナイーブB細胞が活性化する際に発現が誘導され、活性化B細胞から形質細胞へ分化する過程で、発現が低下することを見出した。マウス脾臓B細胞の初代培養系で形質細胞分化を再現し、細胞質における自由鉄量および、ミトコンドリアにおける自由鉄量を測定した結果、形質細胞分化過程で量が変化することを見出した。さらに、活性化B細胞と抗体分泌細胞との間で、細胞外から細胞内への鉄やヘムのトランスポーター及び、ミトコンドリア内への鉄トランスポーターの発現変化を明らかにできた。このとき、ミトコンドリアにおける代表的な鉄代謝であるヘム生合成系と鉄硫黄クラスター生合成系の遺伝子発現変化があることも見出した。本年度明らかにした、細胞内およびミトコンドリア内の鉄量の変化に対して、その消費系であるヘム合成系や鉄硫黄クラスター生合成系に関わる遺伝子発現変化は、矛盾しない実験結果であり、実験は概ね順調に進展しているといえる。その上、この初代培養系において、鉄を添加しB細胞から形質細胞への分化頻度を解析したところ、形質細胞分化が促進されるという結果を得ており、当初の実験計画を超えて、B細胞分化過程における鉄代謝の機能的な意義を示唆するにまで至っている。

Strategy for Future Research Activity

以前に転写抑制因子Bach2がB細胞の活性化応答を調節することを明らかにしていた。そして、Bach2が転写因子としては稀なヘム結合タンパク質であり、ヘムの結合によってBach2の転写調節機能は抑制される。これらを考え合わせるとB細胞活性化応答における鉄代謝の変化は、Bach2の形質細胞分化調節と連動している可能性がある。そこで、今後、転写因子Bach2がB細胞の活性化応答過程で鉄代謝関連遺伝子の発現を調節する可能性を追求する予定である。さらに、トランスフェリン受容体の発現がダイナミックに変化する意義を探るため、ノックダウンもしくは、阻害抗体を用いてトランスフェリン受容体の機能を抑制し、形質細胞分化に及ぼす影響を調べる。また、自由鉄の濃度を明らかにできたことから、次にヘム濃度の変化を測定する。その上で、鉄添加による形質細胞分化の促進で細胞内の代謝活性にどの様な影響を与えているのかを解明する実験を計画し実施する予定である。

Report

(1 results)
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2023 Other

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Heme-dependent induction of mitophagy program during differentiation of murine erythroid cells2023

    • Author(s)
      Ikeda Masatoshi、Kato Hiroki、Shima Hiroki、Matsumoto Mitsuyo、Furukawa Eijiro、Yan Yan、Liao Ruiqi、Xu Jian、Muto Akihiko、Fujiwara Tohru、Harigae Hideo、Bresnick Emery H.、Igarashi Kazuhiko
    • Journal Title

      Experimental Hematology

      Volume: 118 Pages: 21-30

    • DOI

      10.1016/j.exphem.2022.11.007

    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] The dynamics of essential trace element metabolism in B cell immune response2023

    • Author(s)
      武藤哲彦
    • Organizer
      第51回日本免疫学会学術集会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Remarks] 東北大学大学院医学系研究科 生物化学分野

    • URL

      https://www.biochem.med.tohoku.ac.jp

    • Related Report
      2022 Research-status Report

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Published: 2022-04-19   Modified: 2023-12-25  

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