大腸癌におけるエピゲノムを標的とした新規治療法開発と免疫回避機構阻害への応用
Project/Area Number |
22K07170
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波多 豪 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80749747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 守 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10528483)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | BRD9 / 大腸癌 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
大腸癌薬物療法においてエピゲノム治療の研究が進められる中、エピゲノムリーダーであるブロモドメイン蛋白質に対する阻害薬が次世代抗癌剤として注目されている。今回、ブロモドメインタンパク質であるBRD9に着目し、大腸癌との関連性を明らかにしていく。大腸癌におけるBRD9の発現意義、BRD9阻害が腫瘍悪性度や腫瘍免疫環境に対して与える影響について解析し、大腸癌に対する新規治療標的分子となりうるかを検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌薬物療法においてエピゲノム治療の研究が進められる中、エピゲノムリーダーであるブロモドメイン蛋白質に対する阻害薬が次世代抗癌剤として注目されている。2018年に、クロマチン再構築因子であるSWI/SNF複合体のBAF, PBAFに次ぐ3つ目のサブタイプとしてnon-canonical BAFが新たに報告され、その構成因子であるブロモドメイン蛋白質のBRD9は、新規治療標的となる可能性のある分子として期待されている。ncBAFはクロマチンの三次元構造を調節するCTCFと結合することが報告されており、クロマチン構造を変化させ、遺伝子発現制御を行なっている。近年、BRD9は腫瘍免疫との関連性も報告されているが、大腸癌との関連性を明らかにした報告はまだない。大腸癌におけるBRD9の発現意義を明らかにし、BRD9阻害が大腸癌に対する治療標的となる可能性があると考え、研究を計画した。 当院切除検体を用いた免疫染色、染色強度と各症例の臨床病理学的因子の比較検討、統計解析を進め、BRD9が大腸癌の予後マーカーとなる可能性について示した。また、細胞実験としては、ノックダウン株を作成し、それぞれの細胞株における大腸癌腫瘍悪性度との関連性について検討した。下流分子の同定については、網羅的解析を行い、E2F1パスウェイとの関連性を同定した。E2F1はRb経路とp53経路が関与する細胞周期とアポトーシスの制御因子として中心的な役割を担っており、その上流で機能するBRD9の制御は、画期的な新規治療戦略となる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌におけるBRD9の発現意義を明らかにするために、当院での大腸癌切除検体を用い、免疫組織化学染色を行なった。細胞質、核の染色パターン、および染色強度と大腸癌の悪性度、さらには予後との関連性について現在解析を行なっている。統計解析においては、単変量、多変量解析を行い、臨床病理学的因子との関連性を検証中である。細胞実験においては、数種類の大腸癌細胞株を用い、BRD9のノックダウンモデルを作成した。siRNAによる一過性のノックダウン、shRNA plasmid DNA導入による安定ノックダウン株を作成した。それぞれの細胞株において、増殖、浸潤などの細胞実験を行い、BRD9が大腸癌の悪性度に関連性を持つことを示した。下流分子の同定については、網羅的解析の結果、E2F1経路を同定し、細胞周期、アポトーシス関連の遺伝子の発現、制御を評価している。当初予定していた研究進捗を大きく外れずに進んでおり、「おおむね順調に進展している」と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験モデルにおいて、geneticalおよびpharmacological(BRD9阻害薬)アプローチで、BRD9阻害による腫瘍抑制効果を検証する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)