Elucidation of the pathological mechanism by which long-term sleep causes brain dysfunction
Project/Area Number |
22K07401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
花岡 拓哉 大分大学, 医学部, 医員 (40433057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 成志 大分大学, 医学部, 准教授 (30433048)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 睡眠時間 / アルツハイマー病 / 脳血液関門障害マーカー / 炎症性サイトカイン / 大脳白質変性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,認知症の発症前段階である軽度認知障害 (MCI; mild cognitive impairment)を対象としてウェアラブル生体センサによる睡眠時間の測定,3.0T-MRI,FDG-PETなどの先端画像検査,血漿中の脳血液関門障害マーカー,炎症性サイトカインの測定を行い,長時間睡眠が慢性炎症を介して脳血液関門障害よび大脳白質変性を惹起し,脳機能低下に関与することを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
睡眠障害は,多くの高齢者にみられ,糖尿病,高血圧,高脂血症などの生活習慣病,虚血性心疾患,脳卒中,うつ病にも関連する.近年,睡眠障害とアルツハイマー病の関連も明らかとなり,対策すべき重要課題として注目されている.睡眠時間と認知機能には逆U字の関連があり,短時間(6時間以下),長時間(9時間以上)とも認知症のリスクとなる.アルツハイマー病の原因蛋白であるアミロイドβやリン酸化タウは覚醒中に蓄積し睡眠中に排泄されるため,短時間睡眠や中途覚醒はこれらの脳内蓄積を介して認知症発症に関与する(Kang JE, et al. Science. 2009. Holth JK, et al. Science, 2019.).しかし長時間睡眠が認知症発症に関与する病態は不明である.我々の研究では,睡眠時間が長くなるほど脳内アミロイド蓄積量は低下するが,脳糖代謝量も低下していた.長時間睡眠と認知症の関連には,アミロイド病理とは異なる病態が関与している.長時間睡眠は,認知症の原因となる睡眠時無呼吸症候群や全身疾患(脳卒中,虚血性心疾患,肺疾患)で頻度が高く,血液炎症マーカー(C-reactive protein)の増加と関連する(Patel SR, et al. Sleep. 2009, Grandner MA, et al. Sleep. 2013.).さらに睡眠時無呼吸症候群,脳卒中,虚血性心疾患などの基盤に慢性炎症がある(Shamsuzzaman A S M, at al. JAMA. 2003).長時間睡眠が慢性炎症を介して脳血液関門の障害と大脳白質変性を惹起し脳機能低下に関与するという仮説を立てた.これまで我々は,慢性炎症による脳血液関門の障害が脳機能低下や大脳白質病変の形成に関与していることを明らかにしている.しかし『睡眠時間と炎症性サイトカイン,脳血液関門障害マーカー,大脳白質変性の関連』は解明していない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軽度認知障害を有する65歳以上の地域高齢者118例を対象としてウェアラブル生体センサを用いた前向きコホート研究により生活習慣因子,認知機能検査,血液検査,PET画像,およびMRI画像データを3年間蓄積した.血漿中の27種類のサイトカインをマルチプレックス・アッセイで測定し,睡眠時間との関連を年齢,性別,教育歴,body mass index,Apolipoprotein E,高血圧,糖尿病,脂質異常症などの交絡因子を調整した多変量回帰分析で検討した.総睡眠時間は血漿中のinterleukin (IL)-9およびmacrophage inflammatory protein (MIP)-1β の濃度と正の相関を認めた(r = 0.239, p = 0.009, r = 0.242, p = 0.008).軽度認知障害を有する高齢者では,客観的に測定した長時間睡眠が慢性炎症と関連することを明らかにした(Tokunaga A, Kimura N, Masuda T, Hanaoka T, Matsubara E. Objectively measured prolonged sleep is associated with plasma cytokines in older adults with mild cognitive impairment. J Sleep Res. 2024 Jan 11:e14135. doi: 10.1111/jsr.14135.).
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Strategy for Future Research Activity |
MMPsとTIMPsなどの脳血液関門障害マーカーをマルチプレックス・アッセイで測定し,睡眠時間との関連を年齢,性別,教育歴,body mass index,Apolipoprotein E,高血圧,糖尿病,脂質異常症などの交絡因子を調整した多変量回帰分析で検討する.予備実験では睡眠時間はMMPsとTIMPsと関連する傾向が示されており,最終的に睡眠時間とMMPsとTIMPsなどの脳血液関門障害マーカーの関連が証明されれば,論文化する.さらに,睡眠時間と大脳白質病変との関連を明らかにするため,大脳白質病変の体積を測定している.これにより長時間睡眠と大脳白質病変の関連を検討する.これにより,長時間睡眠が認知症の発症に関与するメカニズムの理解が深まる.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)