Project/Area Number |
22K07459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
和田 健二 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60346351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知機能障害 / 生活機能障害 / 認知症の行動心理症状 |
Outline of Research at the Start |
最も頻度の高い認知症疾患であるアルツハイマー病の症状を的確に評価できるABC認知症スケールを用いて,①日常生活動(ADL),②認知症の行動・心理症状(BPSD)および③認知機能(Cognition)の3つの症状をスコア化し,これらの各症状に関連する因子を多面的な臨床評価項目の中から多変量解析で抽出することにより,アルツハイマー病の病態解明を行う.また,抽出した関連因子を組み合わせることにより症状発現の予測が可能かを検証し,症状発現予測マーカーを開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会において医療的および社会的に大きな影響を及ぼすAlzheimer病の適時,適切な診断および治療介入は重要である.治療介入を適時に行うためには症状を的確に捉えることに加え,早期の段階で症状発現や経過を予測することが可能であれば介入の備えに繋がる. 我々はAlzheimer病の症状を包括的かつ定量評価できる13個の症状に関する質問から構成されるABC認知症スケール(ABC-DS)を開発した.本スケールは個々の症状評価のみならず①日常生活動(ADL),②認知症の行動・心理症状(BPSD)および③認知機能(Cognition)の3つの領域の観点で定量化できる. 本研究においては,Alzheimer病の患者を対象とし,ABC-DSを用いて症状を評価し,上記の①②③の3つのドメインや 13の各の症状に関連する因子について,臨床場面でられた多面的な臨床評価項目の中から多変量解析で抽出し,これらの因子を組み合わせることにより症状予測が可能かを検証する.また,脳血流SPECTで評価した脳血流低下部位と認知症症状の関連性についても検討し,Alzheimer病における症状の発現の病態解明も目的とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABC認知症スケールとMMSEスコアについて,ADL障害に関連する認知領域を解析したところ,ADL全体では「時間の見当識」」,「文書理解」,「図形模写」や「呼称」のサブスコア低下が独立した因子として関連していた.Q1(着替え)とQ2(自発性)については「時間の見当識」,Q3(コミュニケーション)は「呼称」,家電操作は「時間の見当識」,「呼称」や「図形模写」,Q11(食事)は「文書理解」,「命令課題」や「場所の見当識」の低下,Q12(排泄)は「時間の見当識」」や「文書理解」のサブスコアの低下が独立した因子として関連していた.「言語理解」の低下は,Q7(焦燥感),Q8(易怒性),Q9(従順性)に共通しても関連していた.さらに,Q7(焦燥感)には「図形模写」,Q8(易怒性)には「即時再生」,そしてQ9(従順性)には「場所の見当識」のスコア低下が独立した関連因子であった. 3D-SSP_Z-Graph法を用いて定量化した脳血流低下部位(17領域)とABC認知症スケールとの検討では,Q1(日常行動)は右側の側頭葉外側,側頭極,側頭葉,Q2(自発性)は右側の前頭葉,Q3(コミュニケーション)は左側の前頭葉,右側の前頭葉,側頭葉内側、Q12(排泄)は右側の上側頭回/下側頭回/傍海馬回/紡錘状回の血流低下と関連していた.Q2(自発性)スコアの低下は左側の頭頂葉,後頭葉内側,後頭葉の血流低下とは逆相関していることが示された.,Q2(自発性)スコアの低下は左側の頭頂葉,後頭葉内側,後頭葉の血流低下とは逆相関しており,Q7(焦燥感)やQ8(易怒性)は左後頭葉内側や右側の前方帯状回と側頭極の血流低下と逆相関していた. これまでの検討から,症状に関連する認知機能低下や脳血流部位が抽出され,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
ABC認知症スケールとMMSEの下位項目との関連性やABC認知症スケールのスコアと脳血流低下部位の局在にについて検討してきた.今後症例を増やし,アルツハイマー病の①ADL,②BPSDおよび③認知機能の多様な症状と脳局在の関連性について症例を増やして検討を進める.
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