リアノジン受容体の安定化に注目した左室収縮能の保たれた心不全に対する治療法の探査
Project/Area Number |
22K08156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小田 哲郎 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (40569290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | リアノジン受容体 / カルモジュリン / HFpEF / カルシウムハンドリング / 心収縮力の保たれた心不全 |
Outline of Research at the Start |
高齢者の心不全の大きな特徴として心収縮力の保たれた心不全(HFpEF)が多いとされるが、HFpEFに有効な心不全治療薬は未だにないのが現状である。心筋型リアノジン受容体(RyR2)の安定化やCaMの心筋細胞内動態を制御することがHFpEFの治療法となりうるかどうか、またHFpEFの発生機序に関わるかどうかを詳細に検討する。RyR2結合CaMの細胞内動態および心筋細胞内のCa2+動態の制御をHFpEFの治療法としてのターゲットとすることで、全く新しい、国内外を通じ他に類のない、HFpEFの治療法または薬剤開発を具体的に目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、今後の超高齢化社会で増加するであろう高齢者に多い心収縮力の保たれた心不全(HFpEF)に着目した。これまでの実験の結果から、心筋細胞内のカルシウム動態およびリアノジン受容体(RyR2)の安定化に寄与しているカルモジュリン(CaM)の細胞内動態を制御することが、HFpEFに対して有効な治療法となり得るのではないかと考え、two-hit(高脂肪食とL-NAMEを投与)のHFpEFモデルを用いて検証した。またCaMのRyR2への結合親和性を高めた、RyR2の遺伝子改変マウスであるV3599Kマウスを使い、two-hitのHFpEFモデルを作成した。 その結果、CaMはRyR2から解離し核内へ移行しており、心肥大や異常なカルシウム漏出がみられたが、CaMのRyR2への結合親和性を高めた、RyR2の遺伝子改変マウスであるV3599Kマウスを使ったtwo-hitモデルではCaMのRyR2からの解離や心肥大の発生、さらにはRyR2からの異常なカルシウム漏出を抑制していた。また、純粋なHFpEFモデルとされる、前述したtwo-hitモデルにおいて、RyR2安定化薬(CaMとRyR2の結合親和性を高める)であるダントロレンおよび高脂肪食とL-NAMEを投与したV3599Kモデルでは、HFpEFで認められる心肥大や肺うっ血、運動耐容能の低下、左室拡張能の低下、さらには異常なカルシウム漏出を抑制していた。これらの結果より、HFpEFの成因の一つに異常なカルシウムハンドリングやCaMの細胞内動態の変化が関わっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
HFp EFとHFrEFの成因の違いについて現在探査しており、Ca-ATPaseの働きに違いがあるのではないかと仮説を立て、研究を続けているが、データが揃っていない状況である。当初は、2024年中に論文化を目指していたが、2024年中の論文化は現状では難しいと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、進行している実験の結果次第では、前述したCa-ATPaseに関する実験の方向転換が求められる可能性があるため、論文検索を含め、仮説を再度検証する必要があると思われる。または、Ca-ATPaseの機能評価についての実験の方法を変更する必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)