心不全応答性エンハンサークラスターを用いた心臓精密遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
22K08204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 研 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (90826190)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | CR9 / エンハンサー / 心不全 / ナトリウム利尿ペプチド / 遺伝子治療 / 転写制御 |
Outline of Research at the Start |
ナトリウム利尿ペプチド(ANP/BNP)は血管拡張・利尿作用を持つペプチド性ホルモンであり、心不全重症度指標・心不全治療薬として臨床で頻用されている。我々は不全心でANP/BNPの発現が誘導される機序を解明するため、先行研究にてANP/BNP遺伝子を誘導する650塩基からなる心不全感受性エンハンサー領域(CR9)を同定し、CR9は心不全を感知して遺伝子発現を誘導するエンハンサーであるということを証明した。しかしCR9以外にもエンハンサーが存在する可能性もあり、ヒト不全心におけるCR9の機能は未だに不明である。本研究においてCR9転写制御機構の更なる解明を行い、遺伝子治療応用への可能性を探る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ナトリウム利尿ペプチド(ANP/BNP)両遺伝子はゲノム上隣接して存在し、その遺伝子産物は血管拡張・利尿作用を持つペプチド性ホルモンであり、心不全重症度指標・心不全治療薬として臨床で頻用されている。我々は不全心でANP/BNPの発現が誘導される機序を解明するため、先行研究にてANP/BNP遺伝子を誘導する650塩基からなる心不全感受性エンハンサー領域(CR9)を同定した(2014 FASEB J 松岡)。その後の研究でCR9領域のノックアウトマウスでは心臓でのANP/BNP両遺伝子の発現がほぼ消失したことから、CR9は心不全を感知して遺伝子発現を誘導するエンハンサーであるという新知見を得た。更にCR9ノックアウトマウスの心不全モデルでは心不全増悪を認め、CR9による遺伝子発現制御は心不全発症予防に必須であることも示唆された。CR9による転写制御機構やヒト不全心におけるCR9の機能は未だに不明であり、本研究においてCR9転写制御機構の更なる解明を行う。遺伝子治療応用への可能性を探ることを目的とした。また、近年AAVベクターを用いた遺伝子補充療法の開発と臨床応用が活発になったが、心疾患に対しては心筋組織に取り込まれるAAVのゲノムコピー数が少ないことにより有効性を示せていない(CUPID2試験)。そこで本研究では心不全応答性エンハンサークラスターを用いて心臓特異性と心不全応答性を高めた精密遺伝子治療の開発を試みる。 当該年度では、CR9を用いたAAV-luciferaseレポーターベクターを作製し、心不全モデルマウスにおいて非臨床POCを得た。来年度において、霊長類における検証を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、心臓遺伝子治療用ベクターを作製し、非臨床POCを取得できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度において、CR9を応用した心臓遺伝子治療用ベクターの霊長類における検証を行う予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)