Project/Area Number |
22K08735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 教授 (80363373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 講師 (40608965)
武石 一樹 九州大学, 大学病院, 特別教員 (50733713)
原田 昇 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80419580)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 講師 (90382423)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 生体肝移植 / グラフト / ドナー / iPS細胞 / 肝細胞移植 / 人工肝臓 / 肝臓 / ラット / 肝不全 / 肝移植 |
Outline of Research at the Start |
肝移植医療において肝移植後拒絶反応は解決すべき問題である。患者本人の細胞からiPS肝細胞(iPS-Heps)を作成し、それを肝移植と組み合わせることで、肝移植拒絶反応を克服する。iPS細胞からiPS-Hepsを作成する方法はこれまで報告されているが、肝不全患者の救命に必要な大量の肝細胞培養は現状のiPS-Hepsでは不可能である。iPS細胞から分化させた星細胞(iPS-Stellates)と共培養することで、iPS-Hepsの効率的な分化・増殖法を開発した。PS-Stellatesとの共培養によるiPS-Hepsの分化・増殖メカニズムを明らかにし、普遍的なiPS-Heps大量培養法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変の終末期である非代償性肝硬変の唯一の治療法は肝移植であるが本邦では脳死ドナーが不足しており健康なドナーから肝臓の一部を切離し供与する生体肝移植が主に行われている。生体ドナーへの侵襲は可能な限り小さくする必要があり、ドナーへのリスクを低減するには可能な限り摘出する肝臓を小さくすることが望ましいが、ドナーから摘出される肝臓(グラフト)が小さくなると肝臓の移植を受けるレシピエントは肝不全をきたし、生存率が低下する。肝臓の質的指標としてはドナーの年齢の他に我々はLRRN2の遺伝子発現を測定することで術後肝不全の発症を予測できることを報告してきたが現時点でLRRN2の評価には肝生検を必要とする。肝生検は出血等のリスクを伴う侵襲的な検査である。ドナーの安全性を担保した非侵襲的なグラフトの質的評価方法が求められるため、我々は末梢血単核球 (PBMC)に着目した。PBMCを用いてヒト肝臓の生物学的老化やグラフトの質を安全に予測する研究を立案し、さらに治療としてiPS由来Hepatocyteの移植を検討しiPS由来肝細胞を肝不全マウスモデルに投与し生着・機能することを確認した。事前にグラフト機能を予測することができれば、質が悪く、移植後肝不全を起こす可能性が高い症例では事前に患者由来のiPS細胞から肝細胞を誘導し、肝不全時には投与し肝不全による死亡を予防できる。本研究は生体肝移植において予測から治療までを網羅する非常に重要な研究となりえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体肝移植ドナー患者より術前に採血を施行しPBMCを生成した。従来の方法では採取されたPBMCの生存率は約30%と不良であり、新規PBMC生成方法を確立し生存率向上を測った。従来のPBMC採取の方法では収集細胞の生存率が約30%ほどであったが、新規採取方法を確立し収集細胞生存率を約80%ほどにまで引き上げた。ヒトiPS細胞よりi-Stesとi-Hepsを分化誘導した。i-Stesとヒト星細胞細胞株LX-2をi-Hepsと共培養しi-SteはLX-2と比較して有意にi-Hepsの増殖を促した。LX-2と比較してi-Stesがi-Hepsの増殖を促した機序を検証し物質Xが増殖に寄与している可能性が示唆された。免疫不全ラットに対し70%肝切除を施行し肝不全モデルラットを作成した。肝不全モデルラットに対し経門脈的にi-Hepsを投与した。投与後2・4・8週目に血液検査を施行しラット血清中のヒトアルブミン濃度を測定した。i-Heps投与後施行したラットの血液検査ではいずれの観察期間においてもヒトアルブミンの発現を認め、移植されたi-Hepsが機能していることを示唆していた。移植後90日目に肝臓をラットより摘出し、ラット肝でのi-Hepsの生着を蛍光免疫染色で評価しラット肝にi-Hepsが生着していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
生体肝移植ドナーより採取したPBMCを用いて生体肝移植後グラフト不全発症群と非発症群とでPBMCの分画や発現蛋白、活動性シグナルの相違を比較検討する。グラフト不全に関わる遺伝子発現やシグナルを抽出し、全保存検体で予後への影響とグラフト予後予測マーカーとしての有用性を検証する。 i-Hepsの増殖を促進した原因蛋白としてi-Stesから分泌される物質Xが寄与している可能性が示唆されており、i-Ste共培養i-Heps増殖が物質X blocker投与により抑制されるかを検証する。
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