Project/Area Number |
22K09047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堤 保夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (90523499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里見 志帆 広島大学, 病院(医), 助教 (60778299)
近藤 隆志 広島大学, 病院(医), 講師 (20711774)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / イソフルラン / 細胞膜マイクロドメイン / カベオリン / ミトコンドリア / 小胞体 / MAM / 虚血再灌流障害 |
Outline of Research at the Start |
ミトコンドリアが接触する小胞体膜は、Mitochondria-associated ER membrane (MAM) と呼ばれ、シグナル分子をはじめ様々なタンパク質群が局在し、機能していることが知られるようになってきた。これまで心筋保護作用には細胞膜マイクロドメインやミトコンドリアが関与していることが知られているが、MAMの機能調節との関係は明らかになっていない。 そこで本研究は、心筋障害時の吸入麻酔薬の保護作用に対し、細胞膜マイクロドメインとMAMの機能調節、特に、ミトコンドリアを中心とした影響を明らかにすることで、心筋保護経路の解明に寄与することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心筋障害時における細胞膜マイクロドメインおよびミトコンドリアが接触する小胞体膜で、Mitochondria-associated ER membrane (MAM) と呼ばれる部分に対し、吸入麻酔薬がどのように作用するかを明らかにすることで、生命維持に重要なホメオスタシス機構の一端を解明することを目的とする。 実験群としては、コントロール群、吸入麻酔薬イソフルランを1.0 MACの濃度で30分加えた吸入麻酔薬群、細胞膜マイクロドメインであるカベオリン-3を遺伝子的にノックアウトしたカベオリン-3ノックアウトマウス群、カベオリン-3ノックアウトマウスに吸入麻酔薬イソフルランを加えたカベオリン-3ノックアウト+吸入麻酔薬群の4つに分けた。 これらの各群の心臓を用い、吸入麻酔薬のカベオリン・MAMの影響を調べた。具体的には、虚血再灌流を行った各群の心臓をホモジナイズし、パーコール溶液を加え、超遠心分離をすることによってミトコンドリア分画を得た。さらにその後このミトコンドリア分画にMRB溶液を加え遠心することによってMAM層を得た。MAM層に対しイムノブロットを行った結果、ミトコンドリアの融合因子であるMitofusin-2(Mfn2)が吸入麻酔群で活性化されることが分かった。一方、カベオリン-3ノックアウト+吸入麻酔群ではこれらの活性化が見られなかったことから、この作用にカベオリン-3が関与していることが明らかとなった。Mfn-2は、MAMの構成タンパク質の1つであることが知られているため、吸入麻酔薬の心筋保護作用にカベオリン-3、MAMが何らかの影響を及ぼすことが推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に示した実験の進捗状況のとおり、マウスin vivo 虚血再灌流心臓を用いてミトコンドリアダイナミクスの影響を明らかにする実験はほぼ終了している。また、マウスin vitro遊離心筋細胞を用い、低酸素モデルにて吸入麻酔薬が与える影響について調べる実験に取り組んでいるため、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスin vitro遊離心筋細胞を用い、低酸素モデルにて吸入麻酔薬がカベオラ・MAMが与える影響について調べる。具体的には、マウスの摘出心をランゲンドルフ酵素法にて灌流、得られた遊離心室筋細胞に対して通常培養液を「グルコースなし」のものに置き換え、1時間低酸素状況 (95%N2, 5%CO2) に曝露することで心室筋細胞に虚血状態をつくりだす。その後1時間通常の培養状態に戻すことで再灌流状態とする。吸入麻酔群では、イソフルラン1.0MACにて30分間刺激を与え、心筋保護作用を明らかにする。コレステロール枯渇剤であり、カベオラの崩壊をもたらす試薬を前投与し、同様の実験を行なうことで細胞膜マイクロドメインの心筋細胞保護作用が明らかにする。 ミトコンドリアの酸素消費速度は細胞外フラックスアナライザーを用い、MAMのミトコンドリア膜電位への影響をJC-1 assayにて蛍光検出し評価する。
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