Project/Area Number |
22K09109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 智誉 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (00899263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 剛志 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30455646)
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 好中球 / 外傷 / 敗血症 / CLP / サイトカイン / 臓器障害 / 外傷後二次性感染症 / CyTOF / LUMINEX |
Outline of Research at the Start |
止血技術や集中治療の飛躍的進歩により外傷急性期の患者救命が可能となったが、慢性期に敗血症や臓器不全を来す症例の救命は困難を極める。この病態には主に外傷後に生じる複雑な免疫応答が関与しており、本研究では自然免疫系、特に好中球の「質」に着目し、CyTOFマスサイトメトリーをはじめとする最先端免疫学解析機器を用いてのこの病態を明らかにし、外傷患者救命率向上につながる新たな治療標的の創出に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
敗血症モデルとして、盲腸結紮穿孔(CLP)モデルは腹膜炎による敗血症を誘導する一般的なモデルとして広く使用されているもののマウスの個体差・手技・方法により誤差が生じることが問題となっており、可能な限り誤差に寄与する因子を統一させることでのCLP標準化を図った。ヒトの敗血症生存率約30%と同様になるよう検討し、盲腸結紮位置は全長の50%、穿刺は盲端から5mmの位置で21G針2穴とするなどの他、細かい手技についても可能な限り統一した。 次に、当研究室で確立済みの熱傷モデルを外傷として上記CLPモデルと組み合わせ外傷後二次性敗血症モデルを作成し、shamおよび外傷後二次性敗血症における臓器障害の病理学的評価を行った。損傷後ただちにCLPにより敗血症を誘導した24時間後にマウスを安楽死させ臓器を摘出、ホルマリン固定後に病理学的評価を行った。sham群では脾臓にマクロファージの浸潤が認められたが外傷群ではその程度が軽度であった。外傷群ではsham群に比べより強い肺での毛細血管のうっ血、肝での類洞拡張が認められ、外傷群では免疫抑制状態に伴うより強い敗血症性臓器障害が誘導されていることが明らかになった。 次いで、敗血症誘導24時間後に血液、および腹水をサンプリングし、サイトカイン/ケモカインの網羅的解析用(LUMINEX測定)にサンプルの遠心後の上澄みを凍結保存、CyTOF解析用検体として、共同研究先のJames A. Lederer研究室で独自開発したJL bufferを用いての全白血球分離を行いCryostorを用いて液体窒素内に保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の流行などで臨床業務のエフォートが増える時期があったが、本研究で行う実験はこれまで当研究室で行ってきた実験系を応用することが可能であり概ね順調に進展していると評価している。学内他教室の協力を得ての病理学的評価は本研究に大きく貢献した。本研究の中心的役割を担うCyTOFについては、共同研究先の米国ボストンからの抗体輸入、検体の輸送、染色、測定などすべての過程が確立しているため、次のステップであるCyTOF実施、解析にあたっての懸念はない。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究先である米国ハーバード大学James A. Lederer研究室からCyTOF用抗体を輸入し、染色したサンプルを聖路加エスアールエル先端医療研究センターに送付し測定を依頼する。測定結果はクラウドデータベースOMIQにアップロードし多次元解析を行う。データ解析においては以前Cytobankによるデータ解析を行っていたが、より機能が向上し年間使用料の安価なOMIQを使用することとしたが、日米のOMIQ関係者からのサポート体制も万全であり、研究分担者も使用経験があるため実施に懸念はない。サイトカインの網羅的解析はLUMINEXを用いるが本学では機器を有していないため研究分担者が所属する大阪医科薬科大学に測定を依頼する。 本研究の目的の一つである免疫応答修飾因子の免疫応答に与える影響評価のためCpG-ODN(敗血症誘導2時間後にCpG-ODN2mg /kgを皮下投与)を用いて前述と同様の実験を予定する。
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