腫瘍微小環境内 B 細胞を用いた転移性脳腫瘍に対する CAR-T 細胞療法の開発
Project/Area Number |
22K09223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大野 真佐輔 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (40402606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
松下 博和 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 分野長 (80597782)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 転移性脳腫瘍 / 癌微小免疫環境 / 三次リンパ構造 / 腫瘍浸潤B細胞 / 腫瘍免疫 / 脳腫瘍 / 免疫療法 |
Outline of Research at the Start |
本研究計画は大きく①転移性脳腫瘍内のTLSおよびTABの検出②新鮮腫瘍組織からのTABのソーティングと抗体情報の抽出③CARの構築と抗腫瘍効果の検証の3つの段階に分かれる。大量の転移性脳腫瘍検体を用いての検索を必要とするため深層学習アルゴリズムを用いたハイスループット画像解析手法を用いてTLSの検出を行い、かつ抗体抽出に最適なTABの選定のための抗体コンビネーションを選定する。続いてEcobody法を用いた新鮮腫瘍組織からのTABの抽出と抗体情報の取得を行う。最後に入手した抗体の情報をもとにCARを構築し、in vitro、動物脳腫瘍モデルを用いた新規CARレパートリーの有効性を検証する
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Outline of Annual Research Achievements |
消化器癌の転移性脳腫瘍パラフィン埋包検体を13例収集し、HE染色および各種免疫染色を行った。がん免疫の活性化に関与し、良好な予後や免疫チェックポイント阻害薬の有効性を予測するとして近年注目されている三次リンパ構造は、他の臓器では多くの報告があるが、転移性脳腫瘍に関しては皆無である。HE染色を用いて転移性脳腫瘍組織の観察を行い、腫瘍辺縁や腫瘍辺縁の脳血管腔にこの三次リンパ構造を推定させるリンパ球の集簇を発見した。CD4、CD8、CD20、BCL6、CD103などによる免疫染色を進め、三次リンパ構造に特徴的なCD20陽性B細胞が腫瘍辺縁や腫瘍辺縁の脳血管周囲に集簇していることが観察された。しかし、成熟した三次リンパ構造のマーカーとして使用されるBCL6を発現しているB細胞は認められず、転移性脳腫瘍における三次リンパ構造は未熟な形態として存在していることが明らかになった。
さらに、CD103陽性CD8陽性T細胞(tissue-resident memory T cells: TRMs)は腫瘍間質のみならず、腫瘍上皮にも深く浸潤していることが明らかとなった。腫瘍組織内のB細胞およびTRMsを含む免疫細胞のすべてを画像解析ソフトを用いてカウントし、これらの結果を臨床データと照らし合わせ、統計解析を行った。13例の患者を高値群、低値群の2群に分け解析を進めた結果、高B細胞群および高TRMs群において、転移性脳腫瘍発生からの生存期間が有意に長いことが分かった。以上より、転移性脳腫瘍におけるB細胞およびTRMsの存在は転移性脳腫瘍発症後の良好な予後に関連することが分かった。
現在これらの結果をまとめ上げ、論文を作成し投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年にわたる新型コロナの蔓延により当院においても臨床業務に支障が生じた。特に病理部門が所属する臨床検査科においては多くのスタッフとその家族が新型コロナに感染し就業困難となった。患者の治療に関連する業務の遂行が最優先され、研究に関する業務は後回しになる。結果、当研究に必要な病理組織検体スライドの作成が大幅に遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
転移性脳腫瘍における三次リンパ構造の存在およびB細胞・TRMsの腫瘍内分布とその予後との関連について現在投稿中の論文にてまとめた。今後は、手術摘出で得られた生検体を用いてB細胞を抽出していく。腫瘍内に存在するB細胞においても高度に腫瘍免疫活性を認めるものから、免疫活性に乏しいものまであるため、腫瘍免疫活性の高いB細胞の抽出のためのマーカーを決定していく。
また、本研究ではTRMsが腫瘍上皮に深く浸潤し、予後と相関していることが明らかとなった。TRMsはケモカインの分泌を介してB細胞を腫瘍へとリクルートすることが報告されているため、TRMsとB細胞の相互作用についても検討を行う。
本研究の知見は、転移性脳腫瘍に対する新規免疫療法の開発に寄与すると考えられる。有望なB細胞の抽出が完了すれば、このB細胞の抗体情報を用いてCARの構築を行っていく。さらに、TRMsを標的とした免疫療法の可能性についても探索したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)