Project/Area Number |
22K09596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石川 雅子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50467718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健太郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (70346401)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 子宮頸部腺癌 / 胃型腺癌 / オルガノイド / 子宮頸部胃型腺癌 / 発がん機構 / Genotype-matched therapy |
Outline of Research at the Start |
子宮頸部胃型腺癌 (GCA)症例を多施設共同において集積し、邦人におけるGCAの頻度や臨床経過の実体を明らかにする。その上でGCAの網羅的ゲノム遺伝子解析を行い、GCAの発生、進展に関わる遺伝子異常を明らかにする。 GCAは稀少疾患であり有用な細胞株が存在しない。そこで原組織を用いたオルガノイドライブラリーを構築し、それを基盤とした発生機序解明と薬剤感受性試験を試みる。 さらにオルガノイド移植マウスを用いてGenotype-matched therapyを探索し、各種抗癌剤・分子標的治療薬との併用療法により、予後改善に寄与する現実的なPrecision medicineを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
婦人科癌の中でも希少癌であり、かつ非常に予後不良な難治性疾患である子宮頸部胃型腺癌 (Gastric-type cervical adenocarcinoma: GCA)において、発がん分子機構や分子標的を探索し、より効果的な治療群を見いだすことが本研究の目的となる。以前に集積していた12例と、新たに15例、計27例のGCA症例について、臨床病理学的因子 (患者年齢、手術進行期、筋層浸潤、脈管侵襲、リンパ節転移、抗がん剤感受性等)のデータを集積した。さらに、FFPEからのDNA抽出と、免疫染色 (p53, ARID1A, PTEN, ER, PR, PD-1, PD-L1, CD8等)を施行した。
1. GCAと通常型腺癌の比較:臨床病理学的検討では、これまでの報告と同様にGCAは通常型腺癌と比較し、無増悪生存期間、全生存期間共に有意に短縮した(p=0.002,p=0.024)。免疫染色で、GCAは通常型腺癌と比較し、p16の発現低下を認めた。しかしp53過剰発現について有意差を認めなかった。PD-1,PD-L1,CD8等の免疫チェックポイント関連分子については通常型腺癌と比較し、発現低下が認められた。免疫病理組織学的検討からは、GCAにおいては、免疫チェックポイント阻害薬が奏効しにくい可能性が示唆された。免疫病理組織学的検査結果と予後の関連について検討したところ、GCAにおいてPD-L1,CD8の発現低下している群で、無増悪生存期間、全生存期間共に延長する傾向にあった。 2. GCAの網羅的遺伝子解析:凍結検体が保存されているGCA症例、LEGH症例を用いて、全エクソンシークエンス (WES)解析およびRNAシークエンス (RNA seq)解析を試みた。しかし、FFPEからのDNA抽出は、GCAの腫瘍進展の形式がskip lesionであることから現在も難航している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.GCAと通常型腺癌の比較進捗状況 ①GCAにおける免疫チェックポイント関連分子発現と予後についての解析:PD-1, PD-L1, CD8の強発現はそれぞれ33.3%, 53.3%, 26.7%であった。PD-L1, CD8の発現低下している群で、無増悪生存期間、全生存期間共に延長する傾向にあった(PD-L1: p=0.585, 0.267 CD8: p=0.585, 0.267)。②GCAにおけるARID1B発現と予後についての解析:ARID1Bの強発現は80.0%と比較的高く、強発現群では全生存期間が短縮する傾向にあった(p=0.250)。 2.GCAの網羅的遺伝子解析進捗状況 凍結検体が保存されているGCA症例、LEGH症例を用いて、全エクソンシークエンス (WES)解析およびRNAシークエンス (RNA seq)解析を試みた。しかし、FFPEからのDNA抽出は、GCAの腫瘍進展の形式がskip lesionであることから現在も難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
【1.GCA及びLEGHオルガノイド作製】前回の報告以降LEGH、GCA症例を1例ずつ認めたが、オルガノイド作製は不可能であった。いずれも希少癌であるため、今後オルガノイドの樹立は今後も条件設定を整え、引き続き新規症例で作成を進める予定である。 【2. GCA及びLEGHオルガノイド作製と、薬剤投与実験による抗腫瘍効果の検討】今後GCA及び、LEGH由来オルガノイド樹立できれば、遺伝子パネル検査を行い、ctionable 変異、Druggable変異を同定し、Genotype-matched therapyの候補を決定することを考えたが、完ぺきに行うことが難しい。さらにオルガノイド培養下にてGenotype-matched therapy、既存の抗がん薬 (プラチナ製剤、タキサン製剤等)、両者の併用を行い、 いずれの薬剤の組み合わせが最も抗腫瘍効果が高いか検討する。さらに培養が順調であれば、GCA及び、LEGH由来オルガノイドをヌードマウスに移植しxenograftマウスを樹立する。 【3.GCA以外の子宮頸部希少癌サブタイプの解析について】 GCAは非常に稀な腫瘍であり、腫瘍量も少ない場合、DNAの網羅的解析が困難であるケースが比較的多い。GCAは非HPV依存性子宮頸癌であり、今後はこれと同様に予後不良な、HPV非依存性腺癌あるいはHPV非依存性扁平上皮癌につい対象範囲を広げ、DNA解析を進める予定である。その他の非HPV依存性子宮頸癌組織において、通常の遺伝子解析に加え、オルガノイド樹立することで、さらなる癌化メカニズム、薬物不応性メカニズムに関連する遺伝子解析を行うことができると考える。
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