Project/Area Number |
22K10404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
甲斐 麻美子 福岡大学, 薬学部, 教育嘱託 (50289550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 宏治 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10509623)
小野 和彦 福岡大学, 薬学部, 講師 (00389363)
江川 孝 福岡大学, 薬学部, 教授 (70369023)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 認知症早期発見 / 地域医療連携 / 薬局薬剤師 / かかりつけ医 / タッチパネル式簡易認知症チェック |
Outline of Research at the Start |
わが国の認知症患者数は現在約462万、今後さらに増加することが予測され、大きな社会問題となっている。認知症を早い段階で見出し、その進展を遅らせることが急務である。地域包括ケアの一端を担い、健康サポート機能を求められている保険薬局においても、認知症早期発見は重要な課題である。本研究は、前方視的登録研究として行い、薬剤師が市中薬局でタッチパネル式簡易認知症チェックを用いた客観的スクリーニングに取り組み、かかりつけ医への「繋ぎ」の役割を担うシステムの構築を目指す。さらに本システムが、認知症早期発見の為の地域医療連携おいて有用であるか検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の我が国では、認知症高齢者の増加が社会問題となっている。地域包括ケアの一端を担い、健康サポート機能を求められている保険薬局の薬剤師にとって、認知症を早期の軽度認知障害のうちに発見し、適切な介入をすることは重要な課題である。当該研究の目的は、市中薬局の薬剤師が薬局にて認知症疑いを見出し、かかりつけ医を通じて迅速に専門医療施設に繋ぐシステムを構築することである。 地域に密着した2施設(A薬局、B薬局)に来局した人のうち、タッチパネル式簡易認知症チェック(TPCD)希望者を前向きに登録、物忘れプログラムMSP-1100を施行する。認知症疑い(15点満点中12点以下)を見出した場合、かかりつけ医C、Dへの受診を文書にて勧奨する。さらにC、D医師が必要とみなした場合は、日頃連携している認知症専門施設に紹介する。薬剤師は、生活上のアドバイス、介護申請手続きの協力、すでに申請済みの人にはケアマネージャーへの連絡等を行う。この流れの中で、システムの有用性、薬剤師の関与・役割を検証する。 2023年度は、A薬局で13人、B薬局で5人がTPCDを受けた。その後、B薬局の3人が除外基準に相当したため、登録者は2022年度と合わせて45人となった。うち、認知症が疑われたのは14人(31.1%)であった。14人に関しては受診勧奨、見守りなどフォロー中である。また2023年度は、本研究の発展型として、A薬局が近隣の団地イベントに出店して、健康チェックの中でTPCDを行った(福岡県薬剤師会学術倫理審査会、承認番号2023-002)。このイベントは4回行い延べ68人がTPCDを受けた。今後詳細な解析を行う。 市中薬局にて登録者の31.1%に認知症疑い者を検出し、かかりつけ医に受診勧奨を行うことができたことから、薬局薬剤師がTPCDを行うことは認知症早期発見の一助に成り得ることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一の理由は、2023年度初期はコロナ流行、ワクチン接種の影響がまだ残っており、登録者数が伸び悩んだことである。しかし、5類に格下げされたこと、A薬局が近隣の団地に出向いて定期的に健康チェックを行うことになり、TPCDを組み込むことができたので、一気に延べ68人の登録ができた。 第二の理由は、2022年度に購入予定でありながらメーカーの都合で間に合わなかったTPCD機器「物忘れ相談プログラムMSP-1100」を2023年度は無事購入できた。従来から持っていた機器2台でぎりぎりまわしていたが、1台購入できたことで余裕ができ、発展研究にも対応できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続きA,B薬局にて登録者を募り、データ収集を行いながら、フォローと解析を行う(2020年研究開始時点で福岡県薬剤師会・学術倫理委員会における審査を受け承認済み、承認番号2020-002-変1)。 また本研究の発展型とも言える活動、即ちA薬局と協力して、近隣のT団地の集会所に出店して、定期的な「健康相談会」を行い、TPCDの登録者を増やす。ここでもデータ収集を行いながら地域住民の健康をサポートしていく予定である。これは福岡県薬剤師会・学術倫理委員会における審査を受け承認済みである(承認番号2023-002)。
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