抗菌薬適正使用を目指した偏性嫌気性菌の耐性拡散機構の解明
Project/Area Number |
22K10486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 香お里 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 教授 (20242729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 将大 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 助教 (20646385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Bacteroides / Prevotetlla / 薬剤耐性 / ベトナム / 日本 / 適正使用 / 抗菌薬耐性 / 嫌気性菌 / 抗菌薬適正使用 / 耐性拡散 |
Outline of Research at the Start |
薬剤耐性菌の蔓延は、世界的な問題である。本邦では抗菌薬の適正使用の取り組みが為されてきているが、ベトナムを含む東南アジアの国々では家畜への抗菌薬使用や処方箋無しで抗菌薬が購入できるなど、適正使用が困難な状況にある。 耐性伝播が高頻度に起こりうる腸管内の主要な構成菌群であるバクテロイデス属は、高度多剤耐性を示し、属を超えた伝播も可能と推測される特殊な耐性拡散機構が1990年代に報告されているが、耐性菌拡散の現状への関与は不明である。ベトナムにおけるバクテロイデス属の耐性因子保有状況と関連遺伝子配列を明らかにし、日本国内株との対比から環境要因との関連、耐性因子の拡散の機構を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
東南アジアの国々では抗菌薬の家畜への使用や処方箋無しでの購入など、適正使用が困難な状況にある。耐性伝播が高頻度に起こりうる腸管の主要な構成菌群である偏性嫌気性菌のベトナムにおける耐性因子保有状況については情報が無く、本邦でも健康成人の腸内細菌叢由来菌について精査した報告はない。Bacteroidesと近縁の菌群に多いと考えられるConjugative transposon(CTn)は、より広範な耐性因子の拡散に関与する可能性があるが、近年の実態は把握されていない。本研究では、ベトナムおよび日本の健康成人便由来Bacteroides属の耐性の動向、耐性因子保有状況を明らかにし、これらの対比から環境要因との関連を考察すること、また分離菌の全ゲノム解析からCTnの分布と耐性因子の拡散との関連を考察することを目的とする。 R5年度についてはベトナムおよび日本の健康成人から分離したBacteroides属について、R4に得た結果に基づき、キノロン耐性株と耐性に関与すると考えられる遺伝子との関連を検討した。プラスミド媒介性のキノロン耐性因子(qnrB、qnrS)やbexA等の排出ポンプ遺伝子の保有とMIC値にはベトナム株、日本株とも明確な関連は見られなかった。QRDR領域の遺伝子変異と薬剤耐性の間には一定の傾向が見られた。国内分離のPrevotellaについては、これまでの検討でβラクタマーゼ産生株が保有しているβラクタマーゼ遺伝子は、Bacteroides属ではセファマイシン耐性因子とされるcfxAが専らで3つのサブタイプが存在したが、保有株はいずれもセファマイシン感性であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の株については、全ゲノム解析を行い保有耐性遺伝子等のゲノムデータの解析の段階に進んだが、多様な因子があることと、Genome assemblyやannotationが難航する菌株もあることから、解析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
糞便および感染症由来バクテロイデスおよびプレボッテラ属分離株の中で、多剤耐性、高度耐性が際立つ株や薬剤耐性プロファイル―保有耐性因子が一致しない株、について、詳細な全ゲノム解析を行う。このゲノム情報データを用いて、CTnを含む内在する耐性関連因子の種類や分布を明らかにし、糞便由来株の2国間の比較、日本人株の糞便株、臨床分離株間での比較解析を実施する。ゲノム解析で見いだされた高度耐性株の耐性に関連すると可能性があるDNA塩基配列について、分離株での網羅的検索、周辺遺伝子の検索、さらにNCBIデータベースに対する検索を行い、その分布と既知遺伝子からの変異の有無をしらべる。 こうした解析で得らえれた結果について検討し、耐性拡散機構に密接に関わるCTnや関連する耐性因子を同定し、耐性伝播の機構についての考察を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)