運動中の脂肪酸結合タンパク質4応答に関連する要因の解明
Project/Area Number |
22K11552
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
沼尾 成晴 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (90454074)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 脂肪酸結合タンパク質 / 脂肪分解 / 長時間運動 / 炭水化物 / 有酸素性運動 / 運動 / アディポカイン / 脂質代謝 |
Outline of Research at the Start |
脂肪酸結合タンパク質4 (FABP4) は生体内の代謝に関与するタンパク質であり,血中FABP4の増加は代謝疾患の発症と関連する.一方,運動した場合にも血中FABP4の応答が観察される.しかし,運動中になぜ血中FABP4の応答が生じるのか,その要因はいまだ明らかではない.本研究では,人を対象に運動により生じる血中FABP4応答の要因を明らかにする.研究を通じて,運動により生じる血中FABP4応答について,生体内の生理的役割や意義の解明につなげる.将来的には血中FABP4を生体内の代謝バイオマーカーとして発展させることを目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪酸結合タンパク質4(FABP4)は細胞内の脂質輸送や脂肪分解などに関与するタンパク質である。FABP4は細胞内だけでなく、血中に分泌されることで代謝機能に影響を及ぼすことが示されている。 急性有酸素性運動はFABP4の分泌に関与する可能性があり、運動により血中FABP4濃度は増加する。我々は、血中FABP4濃度が低強度有酸素性運動中ではなく、運動後に増加することを明らかにした。この知見から、運動によるFABP4の分泌にはタイムラグが生じる、つまりFABP4の分泌は運動刺激に対して遅れて生じることが推察された。このことから、急性有酸素性運動の運動時間延長がFABP4の分泌に影響を及ぼす可能性が考えられた。そこで本研究では,急性有酸素性運動の運動時間が運動中および運動後の血中FABP4濃度に及ぼす影響について検討した。 対象者は、健常成人男性12名であった。対象者は最大酸素摂取量の40%強度で40分(短時間運動試行)および70分間(長時間運動試行)の自転車運動を実施し、その後、ベッド上で60分間安静にした。実験では経時的に血液を採取し、血中ホルモン、代謝産物、およびFABP4濃度を測定した。血中ホルモン濃度動態は、両試行で運動中および運動後、有意な違いはなかった。一方、血中グリセロール濃度は両試行で運動直後、有意に増加し、その増加は長時間運動試行で大きかった。血中FABP4濃度は、長時間運動試行でのみ運動直後に増加した。運動後、血中FABP4濃度は両試行で有意に増加し,その増加は短時間運動試行よりも長時間運動試行で大きかった。これらのことから、急性有酸素性運動の運動時間がFABP4の血中への分泌に影響を及ぼすことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画に大きな変更や問題はなく、円滑に実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は血中FABP4濃度に対する急性高強度運動の影響について検討する予定である。現時点において、令和6年度の研究計画の変更等はない。また、倫理委員会への申請やプロトコルの考案、および使用機器の調整など、研究実施に向けて準備を進めている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)