Project/Area Number |
22K11836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
志村 絵理 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30586342)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ニトロ化 / マクロファージ / 炎症 / 脂肪組織 |
Outline of Research at the Start |
過去約40年間、世界の肥満人口は急速に増加してきた。肥満による体脂肪の蓄積は脂肪組織へ炎症をもたらし、糖尿病、高血圧、心血管疾患など多くの疾患へ繋がることから、脂肪組織における炎症誘導メカニズムの解明は緊切な課題である。炎症時の脂肪組織でM1マクロファージ(Mφ)が蓄積する事が知られていることから、本研究では、Mφを介した脂肪組織における炎症誘導メカニズムの解明を目的に、タンパク質へ機能変化をもたらす可能性が議論されつつあるニトロ化修飾に着目し、Mφの機能若しくは分化への関連を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
肥満関連疾患の予防および治療戦略において、M1型マクロファージ(M1Mφ)の機能と分化の制御が中心的な役割を果たす可能性が議論されている。M1Mφは脂肪組織における炎症の主要な誘導細胞であることが知られており、本研究ではこれらの細胞のタンパク質におけるニトロ化修飾の制御について解析を進めている。既報において、ニトロ化修飾がタンパク質の機能に変化をもたらす可能性が報告されているが、その詳細なメカニズムは依然として不明瞭である。本研究では、M1Mφのタンパク質におけるニトロ化修飾の制御機構を明らかにすることを通し、その知見を脂肪組織における新たな炎症誘導メカニズムの解明に応用することを目指している。 今年度は、M1Mφの誘導条件で培養したRaw264.7細胞を用いて同定した3種類のタンパク質のうち、1種類に関して、M1Mφにおける機能解析を進めた。siRNAを用いてこのタンパク質を抑制したところ、誘導型一酸化窒素合成酵素(Inducible Nitric Oxide Synthase : iNOS)及びNF-κB(Nuclear Factor-κB)が顕著に抑制されることがわかった。iNOS及びNF-κBはM1Mφが有する特徴的な分子として知られている。また、着目しているタンパク質の機能に関わる部位に位置するトリプトファンがニトロ化されていることも判明した。 現在、これら実験の再現性の確認を進めつつ、このタンパク質の機能制御とニトロ化修飾との関連性についてさらに詳細な解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
M1Mφの分化に関わる可能性があるタンパク質とそのニトロ化修飾において新たな知見を見出しつつあるものの、当初の予定通りには進んでいない。siRNAにより同定したタンパク質をM1Mφにて抑制する系の確立がやや難航したため、当初予定していたフローサイトメーターによるM1Mφ特異的なマーカー(CD11b,iNOS,CD86等)の解析や培養上清を用いた炎症性サイトカイン(IL-6,TNF-α,IL-12等)の解析を進めるまでに至っていない。結果、同定したタンパク質がいかにM1Mφの機能へ影響するのか、その評価が不充分な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に予定していた計画を早急に進める。特にM1Mφと脂肪細胞の共培養系を用いて、同定したタンパク質をsiRNAで抑制したM1Mφと脂肪細胞の相互作用に関して検討を行う。ただし、M1Mφと脂肪細胞の共培養系の準備に時間がかかる可能性を考慮し、同定したタンパク質のニトロ化修飾部位へ点突然変異を導入したM1Mφの機能評価も一方でおこない、同定したタンパク質とM1Mφの機能制御との関連性を明らかにすることで、脂肪細胞とM1Mφの相互作用に関する考察及び更なる実験計画の立案に繋げる。
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