加齢によるスペルミン分解活性化機構解明と新規抗老化物質の創出
Project/Area Number |
22K11860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
植村 武史 城西大学, 薬学部, 准教授 (50401005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小黒 明広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00292508)
古地 壯光 城西大学, 薬学部, 教授 (00302167)
高尾 浩一 城西大学, 薬学部, 教授 (70337484)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 老化 / ポリアミン / スペルミン酸化酵素 / アミノ酸 / スペルミン / MDL72527 / 細胞老化 |
Outline of Research at the Start |
ポリアミンは、細胞の増殖や機能維持に必須の因子である。近年、加齢によってポリアミンが減少することが明らかになり、ポリアミン不足が細胞老化の原因として注目されてきた。申請者は、加齢によってスペルミン酸化酵素(SMOX)の発現が増加することを見いだした。しかし、SMOX 発現上昇の分子機構や老化への関与は明らかではない。そこで本研究では、生化学、分析化学、分子生物学、有機化学の研究分野を連結し、加齢による SMOX 上昇の分子機構を明らかにすると共に、SMOX の阻害剤をデザイン・合成し、細胞老化を抑制できるか検討する。本研究の成果より、 新規アンチエイジング物質の臨床応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
すでに超高齢社会を迎えた我が国では、人生100年時代を見据え、年齢を重ねてもなお健康で活躍することが求められている。そのため、科学的根拠に基づいた、有効な抗老化技術が必要である。本研究は、加齢によるポリアミン代謝の変化と細胞老化の関係を明らかにし、新機構老化技術の創出を目指す。 ポリアミンは、プトレスシン、スペルミジン、スペルミンなどの生理活性物質の総称であり、細胞の増殖や機能維持に必須の因子である。近年、加齢によ ってポリアミンが減少することが明らかになり、細胞老化の原因として注目されてきた。我々は加齢によってスペルミン酸化酵素(SMOX)の発現が増加することを見いだし、スペルミンが分解されることが細胞老化に重要な役割を果たすと考えた。そこで、ヒト肝臓由来HepG2細胞の長期培養による老化細胞モデルを構築し、ポリアミン分解酵素阻害剤の細胞老化への影響を検討した結果、細胞老化の指標であるβGal 活性、DNA損傷、ミトコンドリア活性の減少は抑制された。 次に、皮膚細胞の酸化ストレスによる老化におけるポリアミン代謝の影響を検討した。酸化ストレスにより、ポリアミン合成酵素の発現が低下し、細胞内ポリアミン量が減少した。この細胞では、コラーゲンの細胞表面への輸送が阻害されていた。細胞へのスペルミン添加はコラーゲンの輸送を回復させた。 ポリアミンに加え、細胞内アミノ酸代謝も細胞老化により変化することが示唆されている。酸化ストレスを与えたHepG2細胞のアミノ酸量を解析したところ、分私アミノ酸の低下が見られた。これらのアミノ酸を添加した細胞では酸化ストレスによる細胞老化指標が減少した。 以上の結果より、ポリアミン代謝及びアミノ酸代謝の変化を標的とすることで、細胞老化を抑制できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞老化におけるSMOXの役割を明らかにするため、ゲノム編集によりSMOX欠損細胞の樹立を試みたが、目的の細胞は得られていない。ターゲット配列を変更し引き続き細胞の樹立を試みる。一方、SMOXを特異的に阻害する化合物の取得を目指す。 また、由来組織の異なる細胞を用いて検討した結果、組織によりポリアミン代謝の変化が異なることが示唆されたため、肝臓、皮膚由来の細胞を用いて組織特異性を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
SMOX欠損細胞の樹立を引き続き試みると同時に、SMOX特異的阻害剤の取得を目指す。すでに細胞老化抑制効果の見られたMDL72527をシード化合物とし、スペルミン類似化合物の合成と酵素阻害活性の評価を行う。酵素阻害活性は精製酵素及び細胞系を用いて行う。さらに、アミノ酸とポリアミンの組み合わせ処理による細胞老化への影響を検討する。SMOXの発現上昇機構にNrf1/2が関わることが示唆されたので、これら転写因子の関与および抗老化標的の可能性について検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Presentation] Aging associated change in polyamine metabolism2022
Author(s)
Takeshi Uemura, Yuka Yokota, Miki Matsunaga, Yoshihisa Akasaka, Koichi Takao, Hiroshi Ikegaya, Takemitsu Furuchi
Organizer
Sixth International Conference on Polyamines: Biochemical, Physiological and Clinical Perspectives
Related Report
Int'l Joint Research / Invited
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