個体のエネルギー摂取不足は卵子の発育に影響するのか?
Project/Area Number |
22K11865
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
川上 心也 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60410271)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 卵母細胞 / 低栄養 / 脂質小滴 / 摂食制限 / 痩せ |
Outline of Research at the Start |
胎児期に母体の栄養状態が悪化すると、胎児の成長だけでなく、産子の将来的な疾病リスクが上昇する。一方、個体の痩せは、排卵前の卵母細胞(卵子)の発育(減数分裂)にも悪影響を及ぼし、これを原因とした発生能の低下や産子の将来的疾病も予想されているが、その詳細は不明である。 そこで本研究では、摂食制限を課したラットの卵子について、個体の摂取エネルギー量の減少が卵子内の各種細胞小器官の形態や機能に影響するか調べ、母体の痩せと卵子の発育との関係性について検討する。この関係性を明らかにすることで、「痩せが産子の健康に与える影響は、胎生期だけでなく卵子の時点ですでに生じている」との可能性を示したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、摂食制限により生じる個体の低栄養が、卵巣内で保持されている卵母細胞における各種細胞小器官の形態や機能に影響を与えるか否かを検討するために計画された。令和5年度は、対象となるラット個体において、どの程度のエネルギー摂取量の低下が個体の明確な低栄養状態を生じさせるのかを前年度に引き続き検討すると共に、排卵された卵母細胞の受精能や発生能への影響、さらに、卵母細胞の脂質小滴やその関連タンパク質の変化を調べ、脂質代謝への影響についても検討した。 令和4年度の時点では、明確な低栄養状態を再現できていなかったことから、令和5年度は、エネルギー摂取量を30%ないし60%制限し飼育したラットについて検討した。その結果、血清生化学検査の値から、60%の摂食制限下で飼育されたラットは低栄養の状況にあることが確認できた。また、個体の低栄養状態を経て採取された卵母細胞では、体外受精後の発生能に影響は認められなかったものの、低栄養により体外培養下での受精能が低下することが明らかとなった。さらに、摂食制限を経ると、卵母細胞内の脂質含量が減少すると共に、卵巣内卵母細胞の脂質代謝も変化することが示唆された。 以上の結果から、低栄養の個体が引き起こす胎児や産子への影響は、受精卵や妊娠の時期だけでなく、減数分裂を休止した状態で保持されている卵巣内の妊娠以前の卵母細胞にも及ぶ可能性が示唆された。これらの知見は、適切な栄養状態の維持が、妊娠期間中や出産前後だけでなく、妊娠以前の時期においても重要であることを示しており、妊娠適齢期女性に対する妊娠前の適切な栄養介入の根拠となる可能性がある。ただし、現在までのところこれら事象の機序については不明であるので、今後はこの点を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究にて用いる摂食制限の条件は、個体に明確なカロリー摂取不足による低栄養の状態が認められるものでなくてはならない。その条件設定は研究開始初年度までに終了する予定であったが、血清生化学検査の結果、明確な栄養不良状態が再現できていないことが明らかとなった。このため、飼育条件の検討に想定よりも時間がかかり、条件設定の決定が令和5年度までずれ込むこととなった。従って、本研究の進捗はやや遅れていると判断した。 しかしながら、令和5年度に予定していた、摂食制限が卵母細胞の各種の細胞小器官に与える影響についての検討は開始しており、現在までに、脂質小滴やその小滴を形成するタンパク質の変化を観察し、脂質代謝への影響を示唆する結果を得るに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
カロリー摂取不足により低栄養を生じさせる摂食制限の条件について明確に設定できたことから、当初から予定していた、摂食制限が卵母細胞の各種細胞小器官に与える影響の検討を引き続き実施する。 今後は、卵母細胞の核と紡錘糸、脂質小滴、ミトコンドリア、小胞体、およびゴルジ装置といった、各種細胞小器官の形態や分布、ならびに機能が、摂食制限で生じた低栄養によりどのような影響を受けているのかを調べる。令和6年度は脂質小滴に加え、ミトコンドリアの分布・機能変化について重点的に調べ、低栄養が卵母細胞のエネルギー代謝に与える影響について検討する。 また、摂食制限が卵母細胞に与える影響の機序について検討するために、real-time PCRを実施し、卵母細胞における遺伝子発現の変化についての確認も並行して実施する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)