Project/Area Number |
22K12017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
佐藤 文明 東邦大学, 理学部, 教授 (40273164)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 高度交通システム / 深層学習 / 物体検知 / セマンティックセグメンテーション / トラフィックアラートシステム / 交通流制御 / モバイルコンピューティング / デジタルツイン |
Outline of Research at the Start |
近年のIoTの進展により、物理空間の情報を収集し仮想空間のシステムに反映し、可視化やシミュレーションを行うデジタルツインへの注目が高まっている。本研究では、新興国における渋滞問題や増加する交通事故の問題に対する解決策の一つとして、デジタルツインを利用した交通流の予測、シミュレーション、そして制御に関する研究を行う。交通流制御にデジタルツインを利用するために、車両の道路上の位置関係を高い精度で仮想空間に反映する技術の研究開発を行う。また、適切な交通流制御を行うために、制御対象の車両をその場で指定してピンポイントでアラート情報を送信するための技術を研究開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、交通状況をリアルタイムに収集して、道路の形状や車両の配置をパラメータとして仮想空間内でシミュレーション、及び予測を行って実空間に適切にフィードバックする機構を持つデジタルツインを構築することである。令和5年度は、この研究期間の2年目であり、開発しているアプリケーションによって推定された車両の道路上の動きから、危険な運転をする二輪車を特定し、ドライバーやライダーに通知するアプリケーションを作成した。特に、危険な二輪車の運転としては、急加速をして接近し右側をすり抜ける運転、後方からまとまった車群として接近する運転、前方で急に本線に進入する運転を検知するアルゴリズムを開発した。また、車両の道路上の位置推定精度向上のため、道路の車線を推定するアルゴリズムの開発と実装を行った。車線推定方法には、道路の白線を検知する方法や定点カメラによる車両の軌跡の密度から推定する方法などが提案されてきたが、我々が対象とする発展途上国の道路では白線が鮮明でないなど十分に機能しない。そこで、車両を検知して車両の位置と走行方向からクラスタリングすることで車群を認識し、車群の位置や幅から道路を推定する方法を提案した。この成果は、令和5年の特許として出願されており、令和6年の国際会議IEEE IS2024に採録されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交通状況をリアルタイムに収集し、道路上の周辺車両の位置を計算するアプリを構築した。周辺画像は、スマートフォンに接続したUSBカメラから入力し、深層学習によって画像から車両を検知する。検知された画像内の位置から、道路上の位置に変換するには射影変換を用いている。道路上の位置が分かることで、車両の軌跡が観測できて、その結果危険な動きをする車両を検知することができる。例えば、車線を横切って追越しをしようとする車両は非常に危険であり、ドライバーにその存在を知らせることは有効である。このとき、車線が精度よく推定できることが必要となる。従来、車線の推定には道路上の白線を検知して推定する方法がある。しかし、我々が対象とする発展途上国の一般道では、白線が消えかかっていたり、白線が存在していない道路も多く、白線検知の方法が使えない。また、定点カメラ画像から道路上の車両を検知しその軌跡の密度から車線を推定する方法もある。しかし、定点カメラの周辺しか車線を検知できない問題がある。我々は、車載カメラの画像から車両を検知し、その道路上の位置と車両の移動方向を推定し、その情報を使ってクラスタリングすることで車群を同定した。車群の情報から車線の位置は対向車線の識別を行うことが可能となった。我々の方法は、車載カメラを使うことで定点カメラのような場所の制約がなく、白線を使わないことで発展途上国の道路にも適用できる方法である。また、道路の形状を直接使わないため、夜間においても利用できる。この方式の実装によって、高い精度で安定して車線を検知し、危険な運転の検出をすることができた。このことから、研究は当初の計画通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、車線推定においてカーブになっている道路の車線推定方法について検討し、アルゴリズムの開発と実装を行う。また、開発しているプリケーションにそのアルゴリズムを組み込んで、危険な運転をする二輪車を特定し、ドライバーやライダーに通知するアプリケーションを作成するととも、その情報を履歴として地図に反映するシステムを開発評価し、デジタルツインの基礎情報とする。また、令和6年度は本研究の最終年度であるため、交通流デジタルツインのシステム評価を実施する。
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