Project/Area Number |
22K12192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土居 伸二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50217600)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 大域的・共通浴結合 / 細胞集団 / Hodgkin-Huxley型数理モデル / 膵島細胞 / 分岐解析 / 階層構造 / 膵島 / 血糖値制御 / 電気生理 / 傍分泌 / 電気結合 |
Outline of Research at the Start |
膵臓に点在する膵島という細胞群は,膵臓全体の体積の1-2%程度の小さな組織であるが,血糖値の制御や糖尿病に関わる極めて重要な細胞が集まっている.本研究では,血糖値降下ホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞だけではなく,血糖値上昇ホルモンのグルカゴンを分泌するα細胞,αとβ細胞を制御するソマトスタチンを分泌するδ細胞を含めた膵島細胞集団全体のモデルを用いて,膵島が総体として行う血糖値制御メカニズムを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
膵臓に点在する膵島という組織は,膵臓全体の体積の1-2%程度の小さな組織であるが,血糖値の制御や糖尿病に関わる最も重要な細胞が集まっている.本研究では,血糖値降下ホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞だけではなく,血糖値上昇ホルモンのグルカゴンを分泌するα細胞,ならびに,α,β細胞を制御するソマトスタチンを分泌するδ細胞を含めた膵島細胞集団全体のモデルを用いて,膵島が総体として行う血糖値制御メカニズムを解明することを目的とする.特に,これらのホルモンを介した細胞間の「大域的」相互作用だけではなく,膵島細胞が局所に集まっていることに注目し,電気信号(活動電位)を介した「局所的」相互作用も血糖値制御に関して決定的役割を担っていると考え,Hodgkin-Huxley型の電気生理モデルおよびホルモン分泌モデルを統合した膵島の統合モデルを用いる.シミュレーションだけではなく,分岐解析等の非線形動的システムの解析手法を駆使し,研究目的を達成する. 研究2年目である2023年度においては,まず,膵島を構成する主要な細胞である(インスリンを分泌する)β細胞が呈するバースト振動について,結合系の振動に及ぼす結合態様の影響を解析した.さらに,β細胞以外のHodgkin-Huxley型モデルの代表例として心臓洞房結節細胞(ペースメーカ細胞)のYNIモデルの結合系を用い,大域的結合がペースメーカ振動に及ぼす影響についても詳細な分岐解析を行った. さらに,大域的結合という結合態様が結合細胞集団の挙動にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために,共通浴結合細胞集団モデルの縮約モデルを2種類提案し,その初期状態・中間的過渡状態・定常状態のふるまいを詳細な分岐解析により明らかにした.これらに加えて,細胞集団の「階層的」結合モデルを提案し,生体内に典型的に現れる階層的結合の及ぼす影響についても,詳細な検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵島を構成する細胞であるβ細胞に限らず,代表的なHodgkin-Huxley型モデルである心臓洞房結節細胞を用いて,その結合系の挙動や結合態様の違いが結合系全体のふるまいに及ぼす影響を調べた.この意味で,2023年度(以降)の当初計画を達成することができていると言える.さらに,共通浴を通した大域的結合細胞集団だけでなく階層的大域結合細胞集団までも解析を行っており,進捗状況は「おおむね順調に進捗している」と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りの研究を発展させる.とくに,研究最終年度であることも考慮して,当初研究計画に記載した個別的研究課題だけではなく,これまでの研究全体を幅広い観点から総合的に見なおし,本研究が当該分野の研究の今後の進展に大きく寄与できるように,全体の纏めを意識した研究を行う.
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