Project/Area Number |
22K12303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62030:Learning support system-related
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Research Institution | Tokyo Online University |
Principal Investigator |
加藤 泰久 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 教授 (60814960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 学習意欲 / 学習履歴 / チャットボット / オンライン大学 / 人工知能応用 / ラーニングアナリティクス / AI活用 / 学習支援 / DX人材 / 自己調整学習 |
Outline of Research at the Start |
オンライン大学における学びに関して、学生が自律的に学習意欲を管理・継続することが学力向上への鍵の一つである。特に社会人のリカレント教育やスキルアップのためにオンライン大学で学ぶ際に、学習意欲を継続させるために、どのような学習支援が自己調整学習スキルの向上に貢献するのか、成功パターンの学習スタイルの提示や学生の自己認識・自己管理スキルと学習意欲継続との関係について明らかにする。 さらに、学習中にフロー状態(高度に集中している状態)になっていることを学生自身が認識することで、自己調整学習スキルが向上し、学習意欲継続に貢献することも合わせて実証し、オンライン大学における統合的な学習指針の提案を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オンライン大学の学生の学習行動を明確にすることを通じて、学習継続の支援を行うことを目指している。学生の学習履歴や学習進捗状況に基づいて教職員からの支援メッセージがドロップアウト率の減少と学習進捗率の向上に貢献する可能性がこれまでの研究で示唆されている。特に、授業全体を通じたドロップアウト率の変化については、学習が半分ほど進むとドロップアウト率が低下し、最後まで学習が継続することが確認され、初回の授業を早く完了することが最終成績と最後まで学習が継続できることに大きな影響を及ぼすことも確認された。 また、学習意欲の調査を引き続き行い、学生の自主性志向が高く、コミュニケーション志向が低いという、オンライン大学に特有の学生傾向が再度確認された。オンライン大学で学習を継続させるためには、自己調整学習スキルを習得し、自己管理を強化するための支援が必要であることが示された。 さらに、学習継続支援のための新たな手段として、AIの活用についても検討を行った。ChatGPT等の生成AIチャットボットを活用することで、学生の学習支援の効率化と学習意欲の継続につながる可能性があり、プロトタイプを用いた実験を実施した。 これらの取り組みを通じて、オンライン大学の学生がさらに自律的な学習者となり、学習意欲を継続できる環境を整備することが期待される。本研究のゴールは、オンライン学習者の自己調整学習スキルとオンライン学習者コンピテンシーの習得、そして学習意欲の継続を通じて、「自律的」学習者の育成を目指し、人工知能技術等を活用して最適な学習者支援を行う学習環境を学生に提供することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
① 2023年度1学期終了時に、新入学の1年生を対象とする、オンライン学習者コンピテンシー、自己調整学習スキル、学習スタイル等のアンケート調査を実施し、2023年度4学期末にも再度アンケート調査を計画通り実施した。また、2023年度4学期末に実施したアンケート調査の結果は現在分析中である。また、入学時におけるオンライン学習での成功事例の提示については、学生の成功パターンの分類・分析が完了していないため、学生には未提示であり、引き続き分析を進め、複数の学習の成功パターンを学生に示す予定である。
② 研究成果及びアンケート結果を元に学習継続支援ツールの仕様に関しては、2022年の11月末にChatGPTが登場し、仕様を大幅に見直すこととしたため、引き続き検討中である。生成AIを活用することで、学生の学習支援が大幅に効率化されることを鑑み、学生向けの生成AIを活用した、授業の疑問・質問に回答するRAGベースのChatBotのプロトタイプを開発し、一部授業で活用実践を行った。しかし、利用した学生が少数であったため、有益なデータはまだ得られておらず、引き続き実証実験を行うこととした。生成AIを活用したTAチャットボットについては、オンライン学習の効率性を最大限に引き出し、学生が自己調整学習スキルとオンライン学習者コンピテンシーを習得するための環境をさらに改善する可能性を持っている。これにより、本研究の目的である「自律的」学習者の育成が実現可能となることを期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降も計画通り研究を継続予定である。2024年度1学期末には2023年度と同様に、新入学の1年生を対象としたアンケート調査を実施し、さらに、2024年度は、1年生を対象として、学びの孤立化を防止するための、メタバース等を活用した学生間及び学生と教員間の交流イベントを企画している。また、2023年度と同様に2024年度4学期末にもアンケート調査を実施予定である。 また、2024年度に予定していた学習継続支援スマホツールの開発については、ChatGPT等の生成AIを内蔵したChatBotのブラッシュアップを予定しており、2023年度に作成したプロトタイプをさらに改良し、複数のLLM(大規模言語モデル)を試す等、2025年度以降に実質的に学生が多くの授業で活用できるような環境を整えるために、2024年度は、生成AIを組み込んだ学生支援チャットボットの実証実験及び課題の洗い出しを行う予定である。学生は、TAチャットボットとの対話が24時間行え、すぐに回答が返ってくることにより、学習意欲が高まり、学習継続性が増大することが期待される。 また、学生へのアンケート調査の結果から、学習を継続するためのキーポイント、成功するための学習方法のパターン、等を見出し、学生の特性に合わせて個々の学生にリコメンドできるようなフレームワークの確立を目指している。特に初年次の学生向けには、典型的な数種類の成功学習パターンから、自分に合った学習スタイルを選び、適宜自己フィードバックを行いながら、自己調整学習が進められるように、入学時のオリエンテーションにおいて情報提供するなどの工夫を考えていく予定である。また、学習継続率の向上に影響を与える可能性のある、教職員から学生への最適なタイミングでのメッセージ送信、送信頻度等についても引き続き実践と分析を継続して行い、最適な学生支援を検討していく予定である。
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