Project/Area Number |
22K12387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63020:Radiation influence-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
王 冰 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, グループリーダー (10300914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 孝則 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, 上席研究員 (10311375)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 放射線感受性 / 食習慣 / マウス / DOHaD / 子ども / 発がん |
Outline of Research at the Start |
胎生期は身体の発達に極めて重要な時期であり、母体の栄養状態・健康状態が胎児に影響し、将来の健康や病気のリスクを決定するとする説 (DOHaD) が、近年注目を集めている。胎児に生じるエピゲノム変異等が原因と考えられているが、詳細は明らかでない。我々はマウスの実験系で、高脂肪餌で育った母マウスの仔は、通常餌で育った母マウスの仔に比べ、放射線照射の影響がより顕著に表れることを見出した。本課題では、母マウスの高脂肪餌の影響で発現が変化する放射線応答遺伝子を同定し、それら遺伝子のエピゲノム変異を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
背景:胎生期は身体の発達に極めて重要な時期であり、母体の栄養状態・健康状態が胎児に影響し、その子の将来の健康や病気のリスクを決定することが報告されている。我々は、マウスの実験系を用いて、高脂肪摂取による肥満の母親から生まれた仔は、放射線被ばく後に現れる影響(発がん、造血機能低下、寿命短縮など)のリスクが上昇していることを示す結果を得ている。本研究では、そのリスク修飾の機構を検討する。 実験系:C57BL/6J雌マウスを2群に分け、離乳直後(3週齢)から高脂肪餌もしくは通常餌で飼育する。10週齢でC3H雄マウス(11週齢、通常餌)と交配し、高脂肪餌母マウスの仔(高脂仔マウス)、通常餌母マウスの仔(通常仔マウス)を得る。出生後7日目に3.8GyのX線を照射する。生後4週まではそれぞれの母マウスからの授乳により、その後は全ての仔マウスについて通常餌により飼育する。本研究課題では、高脂仔マウスの雄と通常仔マウスの雄を試料採集対象として、放射線照射後経時的に造血組織(骨髄、脾臓、胸腺、肝臓)を採取し、造血細胞の数や分化状況、細胞死、遺伝子発現を比較検討する。 今年度成果:1)高脂肪餌群と通常餌群の各群当たり、雌マウス60匹と雄マウス30匹を導入し、上記の方法で、高脂仔マウスの雄と通常仔マウスの雄を得た。昨年度に確立されたマウス各造血組織分離手技を用いて、非照射の対照群を含む、放射線照射後経時的に仔マウスから骨髄有核細胞、脾臓細胞、胸腺細胞及び肝臓細胞を採集した。昨年度中に確保された試料数と合わせて、本研究に必要な試料の数を確保した。2)造血細胞の数や分化状況を解析するためのフローサイトメトリーの解析方法を確立し、試料の解析に着手した。3)試料細胞のアポトーシスやアポトーシス関連遺伝子発現を解析するフローサイトメトリーによる解析方法を樹立し、試料の解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従い、高脂仔マウスと通常仔マウスを準備し、本研究に必要な、放射線照射後(および非照射の対照群)の骨髄有核細胞、脾臓細胞、胸腺細胞及び肝臓細胞サンプルを確保した。計画に従い、造血細胞の数や分化状況を解析するためのフローサイトメトリーの解析方法を確立し、試料の解析に着手した。予算の都合で当初計画のRNA Seqによる遺伝子発現の網羅的解析の代替措置として、試料細胞のアポトーシス(細胞死)やアポトーシス関連遺伝子発現(p53、p21、Bcl-2とBax)を解析するフローサイトメトリーによる解析方法を樹立し、試料の解析に着手した。本研究計画期間内に一定の成果が得られる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
1)フローサイトメトリーにより試料の解析を行う。 2)解析結果を分析し、高脂仔マウスで放射線照射後のリスクが増大するメカニズムを明らかにする。 3)研究成果を発表(学会・論文)する。
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