衛星画像解析と小型計測器による化学物質と浮遊微粒子の分布と挙動把握
Project/Area Number |
22K12406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大橋 勝文 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (00381153)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 微小浮遊物質 / 化学物質 / ひまわり8/9号 / TROPOMI / 浮遊微粒子計 / 浮遊微粒子 / ひまわり8号 / インドネシア / ヘイズ / 桜島 / 火山灰 / 衛星画像 / 小型計測器 |
Outline of Research at the Start |
火山活動による噴煙、大規模森林火災、工業地帯から排出される煤煙などに含まれる化学物質や微小浮遊物質(PM)が、人体に悪影響を及ぼすので、その量および分布の把握が求められているため、「ひまわり8号」の可視から赤外線領域の画像データから独自のアルゴリズムで、化学物質やPMの地域分布を解析する。サイズが異なるPMや化学物質を計測できる小型省電力計測装置を複数の箇所に設置する。その観測データと「ひまわり8号」の画像解析データとの比較により、火山灰や森林火災の起源や異なるサイズごとのPMや化学物質の挙動を正確に把握する研究を進める。また、火山性ガスの空間分布との比較により、大気中のPM動態を把握する。
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Outline of Annual Research Achievements |
火山活動による噴煙、大規模森林火災、工業地帯から排出される煤煙などに含まれる化学物質や微小浮遊物質(PM)が、呼吸器系を含む人体に悪影響を及ぼすので、その量および分布の把握が求められ、多くの環境観測衛星により観測されている。森林火災で発生する一酸化炭素COは、消防員らの認知能力を低下させるなど問題になっている。また、森林火災で発生するNO2も健康被害を及ぼす。NO2は社会活動でも排出される。そこで、Sentinet-5Pに搭載されたTROPOMIで観測されたCO, NO2の分布を可視化した。PMに関しては、「ひまわり8/9号」画像データからPM量を推定する手法を見出し、インドネシアのスマトラ島とカリマンタン島のAERONETのデータと比較して0.9程度の相関値を得ることができた。また、森林火災場所とその熱量はERARTHDATAから入手した。現在、「ひまわり8/9号」によるPM分布、TROPOMIによるCO, NO2の分布、森林火災分布に流跡線解析による大気流解析を含め、インドネシアの森林火災について総合的に分析している。 雲が多い地域でのPMの挙動を調べられるかを検討するために、海上が雲で覆われている日が多い済州島,対馬,五島列島が位置する東シナ海に対して、粒子画像流速測定法を適用し、10 分ごとの雲の動きを見積もることで東シナ海を移動する越境浮遊物質の移動方向と速度を推定した。推定値について、地上のPM量の挙動から見積もった方向と速度と比較した。 衛星画像は、上空が雲で覆われると地上の状況を把握できないため、異なるサイズの浮遊微粒子を計測できる地上に設置する浮遊微粒子計を予算不足で1・2台程度の試作を進めてきたが、科研費予算により計測器を20台以上作成し、研究協力の先生方へ数台配布して計測を行ってもらったが、電源関連で問題が生じていることから改良を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ひなわり8/9号による可視から赤外線の画像による化学物質の分布を把握する目的で機械学習を活用するには、教師データが必要になる。鹿児島県にある桜島噴火後の火山灰分布を把握するために、垂水にあるXバンドレーダー観測データを教師データとする研究を進めている。また、インドネシアに対しては、Sentinet-5Pに搭載されたTROPOMIで観測されたCO, NO2の分布の活用を薦めている。そこで、森林火災などで発生するCO, NO2の量の可視化を進めている。その課程で、COは激しく森林火災が起こっている場所から発生し大気流に乗って移動することが確認でき、NO2は森林火災よりも大都市圏での社会活動により多く排出されることを確認できた。 済州島,対馬,五島列島が位置する東シナ海では、海上が雲で覆われている日が多いため、雲によってAOD の挙動を把握することができない。粒子画像流速測定法を適用し、10 分ごとの雲の動きを見積もることで東シナ海を移動する越境浮遊物質の移動方向と速度を推定した。ひまわり8号衛星の高時間分解能画像の解析に基づいて,東シナ海における大気汚染気塊の輸送過程(速度と角度)を推定した結果,衛星画像が高高度の雲による影響を強く受けていない場合、推定された速度と角度は,特に典型的な寒冷前線通過に伴うイベントにおいて,地上観測から推定されたものと合理的な一致を示した。本件は、jpGU2023と大気化学討論会にて発表した。 レーザー式 PMセンサでPM1からPM10を計測しながら計測データをマイクロSDカードに記録するシステムを約20台作製し、鹿児島県、長崎県、インドネシアに設置して動作確認を行った。熱帯地域は雷による影響が多いために、雷対策を施した電源回路により観測を行ったが、電源電圧の大きな変動の影響により機器が停止する問題が生じている。そこで、電源回路の改良を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習や人工知能の技術を活用して、衛星データから正確に浮遊微粒子分布を把握する。昨年度、Xバンドレーダーによる観測結果から不要なデータを除いたデータを学習データとした機械学習により、「ひまわり8/9号」の複数バンドの画像データの活用手法を見出す。機械学習により得られた衛星画像解析手法をXバンドレーダーでは観測できなかった霧島連山、薩摩半島、大隅半島の外側に移動する火山灰の挙動把握に用い、機械学習で得られた手法について考察する。 「ひまわり8/9号」などの衛星データを活用するためには、上空の雲の除法を如何に除くかが鍵になる。昨年度までは、あるピクセルの温度が指定温度以下ならば雲と判定していたが、季節や時間により地上の温度が異なるため、正確な雲除去が難しかった。そこで、ゴダードサイエンスセンターが公開している再解析データから観測領域の地表温度変化を正確に把握する手法を試す。観測所のデータとの比較からこの手法のために作成したアルゴリズムの検証を行う。また、データ同化などの技術も利用する。さらに、ヘイズ以外にも、SO2、NO2やO3などの化学物質を観測する環境観測衛星などのデータと「ひまわり8/9号」の複数バンドの画像データとの関連性を人工知能などの技術を使って新しいデータ解析手法開発を目指す。 レーザー式 PMセンサ (SN-GCJA5)でPM1からPM10を計測しながら計測データをマイクロSDカードに記録する作製したシステムの問題点を改良した計測器を作製し、長崎大学の中山先生の協力を得て現地での計測実験を行う。鹿児島大学や桜島周囲の地域への設置を進める。さらに、熱帯雨林地域のインドネシアに設置してもらい試行錯誤を経て、熱帯地域でも使用できる計測機器を目指したいと研究を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)