Project/Area Number |
22K12595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
柳町 智治 北星学園大学, 文学部, 教授 (60301925)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | サービスエンカウンター / 接客 / 観光案内所 / コロナ禍 / 相互行為分析 / マルチモダリティ / 身体化 / ビデオデータ / 接遇コミュニケーション / 観光地 / 相互理解 / ウィズコロナ |
Outline of Research at the Start |
(1) 2022および2023年度:(a)候補地となる宿泊施設や商業施設に対して研究倫理手続きの説明を行い、参加の協力が得られた2か所程度の施設で接客場面のビデオ収録を行う。(b)録画されたデータから分析場面を抽出して文字化作業を行い、従業員と顧客のコミュニケーションの分析に取りかかる。(c)関連する先行研究のレビューを行うとともに、研究会、学会で発表を行う。 (2) 2024年度:(a)データの分析と考察を精緻化し、国内外の学会で発表するとともに、論文として学会誌やジャーナルに投稿する。(b)観光業に携わる従業員を対象にワークショップを開催し、研究の知見を共有し具体的提言を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
23年度は3年計画の2年目として、初年度とは別の観光案内所と交渉を行い、研究の協力を得ることができたたため、3日間にわたって同所を訪れる観光客(日本人とインバウンド)と観光案内所スタッフがやりとりする場面をビデオカメラで収録した。このデータコレクションをもとに、観光客が案内所に入ってからカウンターでスタッフによるサービスが開始される時点(=サービスポイント)に至るまでの相互行為を、発話、両者の空間移動、視線のやりとり、人工物の関わりも含めマルチモーダルな分析を行った。その成果は、コレクションの一部を抜粋として文字化したものをもとに、23年8月の「HOKCII研」(北海道大学)および24年3月の「会話分析研究会」(関西学院大学梅田サテライトキャンパス)のデータセッションにおいてデータ提供を行った。この分析は24年度中に論文化する予定である。
また、今回収録したデータとは別に、以前、ウィンターリゾートで収録したスキー客と修理工房スタッフの会話データを「foreigner talkの再考」という観点から分析考察し、23年10月の国際学会「Tunghai International Conference on Second Language Teaching and Research」(台湾東海大学)において口頭発表した。この成果は24年度中に出版される書籍中の1章として公表される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初のプランでは、3年計画初年度の22年度に観光施設や商業施設でのデータ収録をほぼ終える予定であったが、実際には、22年度末にようやく最初のフィールドでのデータ収集を行うことができた。また、収録できた会話ペアの数も十分とは言えなかったため、2年目の23年度にも初年度とは別の観光案内所においてデータ収録作業を継続した。
また、本科研課題の目的の一つは、コロナ禍における感染防止のために密の回避やマスクの着用といった措置によって接遇のあり方が一変したホスピタリティ産業おいて、多くの制約がある中でどのような接客や顧客対応が行われているのかを、実際の会話場面の分析を通して明らかにすることであった。しかしながら、本課題2年目の23年度になると、現場における間仕切りの使用やマスクの着用率は下がり、サービス産業における顧客と従業員のインタラクションはほぼ従前と変わらない形に戻っていった。そこで、23年度は、カウンターにアプローチする顧客スタッフとスタッフの間でどのようにサービスが開始されるのか、その様子を微視的に分析していくこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
計画最終年度である24年度には、23年度に行った分析をもとに論文を執筆し投稿することになる。また、10月には台湾で開催される日本語教育関連の学会において口頭発表を行う予定である。
さらに、本科研課題の目的には、研究の知見を現場の人々の実践に資する形で還元することも含まれる。この目的の達成のため、24年度には、調査地の観光案内所においてワークショップを開催し、現場のスタッフと研究知見を共有するとともに、望ましい接客のあり方を共に検討していくことを計画している。具体的な開催地として、23年度にデータ収集を行った2箇所目の観光案内所に対しワークショップの開催を提案したところ、前向きな回答を得ている。
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