A Study on Conservation and Management of Local Tourism Resources: From the Perspective of Tourism Market Failure
Project/Area Number |
22K12622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
薮田 雅弘 中央大学, その他部局等, 名誉教授 (40148862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 朋也 山口大学, 教育学部, 准教授 (30757638)
中平 千彦 明海大学, 経済学部, 教授 (50433371)
高尾 美鈴 大阪経済法科大学, 経済学部, 助教 (80909341)
金 承華 九州産業大学, 地域共創学部, 講師 (90828013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 地域観光資源 / 日本遺産 / コモンプールアプローチ / 地域発展 / 地域コミュニティ力 / 持続可能な観光 / 観光資源の保全と管理 / 観光市場の失敗 / パネル分析 / コモンプール資源 |
Outline of Research at the Start |
地域観光資源としてのコモンプール資源に関して「過剰利用」の制御問題が中心であったこれまでの研究に加えて、「過少利用」にもとづく考え方や発想は、従来の分析枠組みにはない新しい次元の分析であると考える。 研究を完遂させるために、まず、地域資源の過少利用など不適切な状況が生じる背景とその原因を明らかにする必要がある。そのため、その背景にある理論分析を踏まえて、日本国内や海外の事例を調査し実証分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画期間の中間年である2023年度には、地域における観光開発の動因に関する理論的枠組みに関して、コモンプールのアプローチの視点から、次の二つの枠組みから分析を行った。第一に、地域観光開発を進めていく上で、厚生上の観点(地域の生産所得や雇用など)から見た場合の、人々の参加、協力・協働の在り方の重要性や貢献について、「コモンプールの外部性」ならびに「地域ネットワークの外部性」の観点から分析を行った。これらの外部性の下で地域における収穫逓増が帰結され、厚生の地域配分の在り方が、地域観光開発の動因となることを分析した。以上の点を理論的な基礎として、第二に、わが国の「日本遺産制度」を事例対象として、その制度の制度的枠組みや政策の在り方、ならびに期待される厚生上(所得上)の効果についての分析を行った。このテーマにそった今年度の研究実績としては、2023年7月の、森、小澤、中村、田家、金、高尾、 薮田による‘The Governance of Regional Resources in the Setouchi Bisan Islands and their Potential for Sustainability,’ International Conference on Small Island Cultures, Miyajima Community Hallにおける共同報告がある。共同研究は、月一度のZoomによる2時間程度の研究会を開催する形で実施し、加えて、森、金、高尾らによる山口県やアジア地域の観光開発に関する事例研究を議論した。例えば、森は山口県の津和野を対象にした地域観光発展についてコモンプールアプローチからの分析を行い、主に地域資源と観光発展の持続可能性について分析を行った。また、金・薮田は、中国の森林保全策である退耕環林政策についての検討を行い、環境保全と地域開発について検討を行った。また中平は、近畿エリアの京都、大阪を対象に、観光需要を移動費用、地域物価などの主要な経済変数を用いて、Baysian VARによる実証的な検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者(薮田雅弘)のもとで、月1回程度Zoomによる研究会を開催することで、個々人の研究進捗の確認と併せて共同研究の進捗を図った。関連する日本遺産の研究については、国際学会での報告を8月に行い、査読論文の投稿準備を行っている。個々人の観光研究については、観光需要についての計量的分析を軸に研究を行った中平、地域観光開発の事例を定性的に分析した森、金、高尾ならびに薮田の研究がある。加えて、森、金らは、アジア(ベトナム・ラオス、韓国など)での事例を対象に事例研究を行った。いずれも、月1回程度で行っている研究会での意見や情報交換を基に、各々が論文投稿によって成果を纏めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度については、2023年度の共同研究について、とくに日本遺産制度についてのコモンプールアプローチからの研究をベースに、共同論文を投稿することを行うとともに、個々人の研究についても併せてまとめていく予定である。実証的な分析をさらに進めるとともに、地域資源の過少利用という課題の中で、いかに魅力ある観光資源を生みだすかという戦略とそのガバナンスのあり方について検討を行うこと、また、観光促進を目的とした政策の効果測定も計量経済学的手法を用いて分析する(森、金、高尾)。日本遺産の研究を進めることと併せて、東アジアにおける地域の持続可能な観光開発について検討する(薮田、金)。加えて中平はBaysian VARの拡張的な適用を試み、観光需要の決定要因に関してさらなる検討を行う予定である。コモンプールアプローチによる分析については、地域資源の過少利用の課題を軸に、魅力ある観光資源を生み出す戦略とそのガバナンスの在り方について検討を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)