神経変性疾患治療に向けたマイクロバブルと超音波による核酸搭載ナノ粒子送達法の開発
Project/Area Number |
22K12849
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小俣 大樹 帝京大学, 薬学部, 講師 (80803113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / 血液脳関門 / 脳 / 神経変性疾患 / 核酸 / 薬物送達 / 中枢神経系疾患 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、神経変性疾患治療を目指して、超音波応答性マイクロバブルと低強度集束超音波を利用して脳の標的領域に選択的な血管透過性亢進を誘導し、核酸搭載ナノ粒子の移行を促進する非侵襲的デリバリーシステムを開発する。さらに、神経変性疾患モデルマウスに対する治療効果を検討し、神経変性疾患治療戦略を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はmRNA搭載脂質ナノ粒子 (mRNA-LNP) の脳選択的なデリバリーに向けて、ポリエチレングリコール (PEG) 脂質の影響を検討した。PEG分子量およびアシル基の鎖長が異なる3種類のPEG脂質を用いて、ルシフェラーゼ発現mRNA-LNPを調製した。まず、293T細胞において、蛍光標識mRNA-LNPの取り込み量をフローサイトメトリーで評価したところ、アシル基が長いPEG脂質を用いることで、mRNA-LNPの取り込みが減少することを確認した。また、ルシフェラーゼ発現を評価したところ、アシル基が長いPEG脂質を用いることで、ルシフェラーゼ発現は低下することを確認した。次に、マウスに各種mRNA-LNPとマイクロバブルを投与し、右脳に向けて集束超音波を照射した。その後、主要組織におけるルシフェラーゼ発現を評価した。その結果、アシル基が長いPEG脂質を用いることで、mRNA-LNPの肝臓や脾臓でのルシフェラーゼ発現は低下した。一方で、肝臓に対する超音波を照射した右脳でのルシフェラーゼ発現量の比率は上昇した。これらの結果からアシル基の長いPEG脂質を修飾したmRNA-LNPを用いることで、マイクロバブルと超音波併用による脳選択的なタンパク質発現を誘導できることが考えられた。さらに、6-ヒドロキシドーパミン (6-OHDA) 投与によるパーキンソン病モデルマウスの作製を行った。6-OHDAを右脳に投与後、脳冠状切片を作製し、チロシンヒドロキシラーゼ (TH) の免疫染色を行い、観察した。その結果、6-OHDAを投与した右脳においてTH陽性細胞数の減少が認められた。このことから、ドーパミン神経変性を有するモデルマウスを作製できたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、3種類のポリエチレングリコール (PEG) 脂質を用いてmRNA搭載脂質ナノ粒子 (mRNA-LNP) を調製し、マイクロバブルと超音波を併用した脳選択的なmRNA-LNPデリバリーを試みた。その結果、アシル基の長いPEG脂質を用いることで、脳での選択的なタンパク質発現を誘導できることを明らかにした。また、6-ヒドロキシドーパミン (6-OHDA) を用いてパーキンソン病モデルマウスの作製を行った。チロシンヒドロキシラーゼ (TH) の免疫染色により評価したところ、6-OHDA投与によってTH陽性細胞が減少することを確認した。このことから、ドーパミン神経変性を有するモデルマウスを作製することができたと考えられた。しかしながら、モデルマウスの生存日数が短く、投与量、投与部位の最適化を行う必要があると考えられた。マイクロバブルと超音波を用いた脳への選択的なmRNA-LNP送達に関する知見を得ることができたが、パーキンソン病モデルマウスの作製方法の最適化が必要である。そのため、本研究はやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
神経変性疾患治療におけるマイクロバブルと超音波を用いた核酸搭載ナノ粒子デリバリーシステムの有用性を明らかにするため、パーキンソン病治療効果の検討を行う。まず、6-ヒドロキシドパミン (6-OHDA) の投与量、投与部位を最適化し、パーキンソン病モデルマウスの作製方法を確立する。その後、神経変性細胞保護作用を持つタンパク質 (GDNF) 発現mRNA搭載脂質ナノ粒子を用いてタンパク質発現を免疫染色で評価する。さらに、チロシンヒドロキシラーゼ発現量ならびに運動機能を指標に治療効果を評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)