Project/Area Number |
22K13726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
時岡 良太 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (80760511)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 不本意入学 / 主体性 / 学生相談 / 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ |
Outline of Research at the Start |
近年の高等教育の現場では、学生の主体性をいかに育むかということが喫緊の課題となっている。それは学生相談の現場においても同様であり、主体性の乏しい来談学生への有効な支援策が求められている。そして、主体性の乏しい来談学生のうち多くが抱えている悩みとして不本意入学の問題がある。 本研究では、高等教育の現場において学生の主体性の育ちを促すために必要なことを探るためのアプローチとして不本意入学に着目し、不本意入学者が主体性を育むプロセスおよび要因を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、不本意入学者が主体性を育むプロセスおよび要因を解明するために、以下2つの研究を行う。①不本意入学者が学生生活の中で主体性を育むプロセスについての仮説モデルを生成する ②研究①によって得られた仮説モデルを量的研究によって検証する 本年度では、研究①を遂行した。不本意入学を経てその後の学生生活の中で主体性を育むことのできた者を調査対象とするため、まずはそのような条件を満たす者を探すためのスクリーニング調査を行った。調査はオンラインで実施し、2年次以上の大学生・短期大学生および大学院生、または30歳以下の大学・短大・大学院を卒業した既卒者483名の回答が得られた。その中で本研究の対象者の条件に合致し、調査協力依頼に応じた20名を対象に、zoomを用いたオンラインインタビュー(半構造化面接)を行った。20名の調査実施後、不本意入学の理由の違いやコロナ禍による入校禁止期間の影響などによって体験の質が大きく異なることが明らかとなったため、分析対象者を、第1志望不合格などの学力の問題による不本意入学者で、入学直後の時期に遠隔授業が実施されていなかった13名とした。分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて行った。 分析の結果、不本意入学者が主体性を育むプロセスにおいては、1)他者との信頼できる関係性の形成 2)主体性の”芽生え”を受容される体験を通じて安心して主体的に動くことができるようになること、3)評価基準としての他者の目を遮断して自分自身のやりたいことを模索することが重要であることが明らかとなった。これらに対して、学生相談という場が果たすことのできる役割についても考察し、実際に高等教育の場において不本意入学者の主体性を育むための重要な示唆が得られた。 本年度に行った研究の成果については、日本学生相談学会第41回大会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画からの若干の修正はあるものの、不本意入学を経て学生生活の中で主体性を育むことのできた経験を持つ人々に対してインタビュー調査を行って分析するという、最も重要な点については計画通り遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究①について学会発表を行った上で論文を執筆し、投稿する予定である。その後は、2023~2024年度にかけて、研究②を進めていく。研究①によって得られた仮説モデルにおいて、主体性の育ちに大きく寄与していると考えられる要素について、実際にどの程度寄与しているのか、実証的に検討していく予定である。
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