Project/Area Number |
22K13898
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
片岡 武典 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 講師 (80934596)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 数論 / 類群 / 岩澤理論 / 岩澤加群 / Euler系 / Fittingイデアル / グラフ理論 / 整数論 |
Outline of Research at the Start |
代数体のイデアル類群や楕円曲線のSelmer群などは,数論における重要な研究対象である.そういった対象を数論的加群と総称し,さらにGalois群の作用を込めたものを数論的Galois加群と総称する.本研究の目的は,種々の環論的な不変量を駆使した数論的Galois加群の構造決定へのアプローチを構築することである.具体的には,様々な数論的Galois加群について,そのFittingイデアルなどの不変量を考察し,その情報から加群の構造を考察する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,主に次の4つのテーマに取り組んだ.(1) グラフのJacobianのFittingイデアル.(2) 岩澤加群の生成元の個数.(3) 代数体の類群の同値類とその応用.(4) 局所同変玉河数予想と高階Euler系の構成.これらについてそれぞれ述べる. (1) 近年,グラフのJacobianと代数体の類群との間に様々な類似が見出され,活発に研究されている.この状況を背景として,本研究ではグラフのJacobianのFittingイデアルの明示的な公式を得た.また先行研究で得られていた岩澤類数公式の類似や木田の公式の類似に関して,より簡明な証明を得た.この成果は,神楽坂代数セミナーにて口頭発表するとともに,プレプリントとして公開した. (2) 総実代数体の岩澤加群の構造の複雑さを示す指標として,生成元の個数を考察し,結果として上限と下限の良い評価を得た.これは栗原将人氏との共同研究である. (3) 本研究課題の開始以前に,研究代表者はCornelius Greither氏と共同で,代数体の類群の考察に有用な,新たな同値関係の概念を導入していた.本研究では,類群の同値類を従来よりも詳細に考察し,さらに明示的な応用として,類群の位数に関する興味深い性質を見出した.これはCornelius Greither氏との共同研究である. (4) Euler系は数論的Galois加群の高次Fittingイデアルなどを考察するために有用な道具である.本研究では,Coleman写像を用いて局所同変玉河数予想を導き,その応用として高階Euler系を構成するという戦略に基づき,Euler系の構成に取り組んだ.これは熱田真大氏と臺信直人氏との共同研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究では,当初は計画していなかった観点から,本研究課題に資する成果を得ることができた.特に研究実績の概要で(1)として述べた事項は,本研究課題が主に対象とする類群やSelmer群などに対して,トイモデルとしての活用が期待される.また(2)として述べた事項も,想定していなかったが有用な観点である.(3)(4)は本研究課題の計画に沿ったものであり,順調に進んでいる.このように想定以上の成果が得られている一方で,当初予定していた高次Fittingイデアルの考察についてはまだ明確な成果を得ることができていない.また(2)(3)(4)については今後の取りまとめに一定の時間を要する見込みである.これらを総合して,上記区分とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で(2)(3)として述べた事項については,理論の主要な部分は完了しているものの,関連して考察するべき問題が残っているため,2023年度中に取りまとめを完了させる.(4)は繊細な計算が必要であることが判明しており,時間を要する見込みであるが,共同研究者と協力して進めていく.また正標数大域体に関する研究を本格的に開始する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)