Project/Area Number |
22K14957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 憲 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00876097)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 誤配分 / 家計内資源配分 / 夫婦 / 農業生産 / 開発経済学 / ザンビア / 農業生産性 / アフリカ |
Outline of Research at the Start |
本研究はアフリカにおける低い農業生産性の要因として家計内の圃場間における農業投入財の誤配分に着目し、そのメカニズムを経済学の視点から探求する。特に非効率性の経路として、夫婦間の非対称情報に基づく生産への投資意欲の差に着目し、家計内で戦略的に情報を秘匿する誘因が生じる可能性を論じる。まずアフリカの農業に即した、非協力・協力モデルのハイブリッド型理論を提示し、非協力行動が観察される条件を理論的に解明する。次にザンビア・コッパーベルト州の夫婦を対象に、夫婦双方から情報を集める調査と家計内無作為化を伴う介入実験を実施する。データ分析を通じて戦略的情報秘匿を実証すると同時に誤配分による損失を定量化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アフリカにおける低い農業生産性の要因として家計内の圃場間における農業投入財の誤配分に着目し、そのメカニズムを経済学の視点から探究することにあった。特に非効率性の経路として、夫婦間の非対称情報に基づく農業投資に対する投資意欲の差に焦点を当て、家計内で戦略的に情報を秘匿する誘因が生じる可能性を実証することを目的とした。そのため、研究計画では、ザンビア・カッパーベルト州の夫婦を対象に、夫婦双方から情報を集める調査と農業研修の参加者を家計内で無作為化するフィールド実験を実施する予定であった。しかし、2022年度に続き、2023年度もザンビア共和国における現地調査の実施が叶わなかった。 そのため、2023年度は既に他機関により収集された家計調査データを用いて家計単位の単収を求め誤配分の程度を計測するとともに、地域単位で集計した誤配分の程度を天候リスクに紐づけその相関関係を分析した。またザンビア北部における家計調査を2024年度に実施する目途がたったので、家計調査に使用する質問票の設計を世界銀行がアフリカ各国で実施しているLSMS-ISAを参考に進めると同時にGPSを用いた土地面積の計測の準備を現在行っている。 他方で、2023年度はジェンダー間の農業生産性の多寡を計測するためにモロッコ南部Tata Provinceにおいて家計調査を実施した。その結果、女性農民は男性農民と比して土地や水といった生産資源へのアクセスが限定されており、かつ、リスク回避的な性向があり、高収益が期待されるナツメヤシの栽培への参加が女性農民間で乏しいことをこれらの要因が説明する可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の進捗状況は、現地調査を予定通りに実行できていないという観点から必ずしも満足のいくものではない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は調査の準備を進める。特に、本調査を実施するための準備としてのサンプリング作業および質問票のプレテストを2024年度中に渡航して実施する予定である。調査準備として、サーバーの構築と質問票の作成を進めていく予定である。同時に、理論的な枠組みの構築や実証モデルの検討などを進める。
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