| Project/Area Number |
22K15016
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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| Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大谷 紘資 北里大学, 獣医学部, 講師 (90875717)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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| Keywords | 細胞外小胞 / 血漿 / リポタンパク質 / ポリアニオン / 陽イオン / ポリエチレングリコール |
| Outline of Research at the Start |
血漿中の細胞外小胞は様々な疾患のバイオマーカーとしての応用が期待されているが、その単離方法には未だ改善の余地が多く残されている。なかでも血漿中に含まれるリポタンパク質は細胞外小胞と似た性質を持つことから、両者を識別できる方法の確立が必要である。本研究は、このリポタンパク質を効率的に排除できるような血漿からの細胞外小胞の単離方法を新たに開発することを目的とする。特にリポタンパク質自体の分画に用いられている「沈殿分画法」に注目し、これを応用して最適な条件を探り出す。また、既存の細胞外小胞の単離方法と収率、純度と時間・コストを比較することで、この方法の有用性を検証する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リポタンパク質を効果的に排除した血漿からの細胞外小胞の新たな単離方法を開発することを目的としている。令和5年度は昨年度までに得られた成果を更に洗練させることで、至適濃度のポリエチレングリコールを用いるとリポタンパク質であるHDL/LDL/VLDLを特異的に多く含む上清と細胞外小胞を特異的に多く含む沈殿とにある程度の収率・純度でヒト血漿を分画できることが分かった。加えて、今回見出したポリエチレングリコールを用いた方法とこれまで一般的に用いられてきた細胞外小胞の単離方法(4種)について、ELISAおよびWestern blottingによる細胞外小胞ならびにリポタンパク質特異的マーカータンパク質の発現量測定、ネガティブ染色による形態観察およびQubit microRNA assayによるmiRNA濃度の測定を行い比較解析した。その結果、我々の見出した単離方法は既存のものと同等の純度・収率を保持していることが明らかとなった。これまで、純度の高い細胞外小胞を血漿から単離するためには長時間または複雑な操作が必要であり、非常に時間のかかる煩雑な手技が必要であった。一方で、血漿に溶液を混和して遠心分離を行うだけと非常に簡便である上に特別な装置方法も必要としない本法は、血漿からの細胞外小胞の新規単離方法として時間・費用的コスト、簡便性などの点で既存の方法よりも有効であることが示された。以上の成果をInternational Society for Extracellular Vesicles Annual Meeting 2023や第97回日本薬理学会年会などにおいて発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画においては3年間の研究期間の前半でポリアニオンと二価の陽イオンを用いた血漿細胞外小胞の単離の条件を見出し、後半で既存の単離方法との比較を行う予定であった。2年間が経過した現時点で細胞外小胞のみを沈殿させる条件を見出し、既存の方法に対する優位性をある程度確認することができた。また、本研究成果はこれまで複数の学会で発表しており、現在国際誌への投稿を進めている段階である。よって、現在までの進捗状況はおおむね順調とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
今回見出した細胞外小胞を特異的に沈殿させる方法について、より純度の高い細胞外小胞の沈殿画分を得られる至適条件はないかを更に検討する。また、ヒト血漿のみならずイヌ・ネコなどの伴侶動物の血漿のほか、血漿以外の体液中からも同様の方法で細胞外小胞を単離できるか検討する。
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