熱帯熱マラリア原虫の蚊体内及びヒト肝細胞内における脂質代謝機構の解明
Project/Area Number |
22K15452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49040:Parasitology-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 幸子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特任研究員 (60882420)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / 脂質代謝 / 肝内期 / 遺伝子改変 / マラリア原虫 / ハマダラカ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、熱帯熱マラリア原虫 (Plasmodium falciparum) が蚊やヒトの肝臓内で発育するために必須なステージ特異的なリン脂質生合成系の役割を明らかにする。マラリア原虫は、肝臓と蚊ステージの一部において急速に増殖するため、大量のリン脂質を必要とする。本研究では、これまでにリン脂質代謝酵素と同定された複数の分子を原虫のステージ特異的にノックアウトできる遺伝子改変P. falciparumを作出し、これらの原虫を用いて、蚊の体内やヒト初代肝細胞での原虫の発育に必要なリン脂質生合成分子を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、熱帯熱マラリア原虫(Pf)が蚊体内やヒトの肝細胞内で発育するために必要なリン脂質生合成酵素を新たに同定し、Pfの生存・増殖に必須なリン脂質生合成系の分子基盤を明らかにすることである。これまでに赤内期のPfを対象とした研究により、リン脂質生合成酵素として複数の分子が同定されている。そこで本研究では、遺伝子改変Pfとハマダラカを用いたPf感染実験により、今まで未解明であった蚊のステージや肝内期の発育に必須なリン脂質生合成分子を明らかにする。遺伝子改変には、rapamycin-inducible Cre recombinase (DiCre) を発現するPfを用い、その標的遺伝子座にDiCre認識配列を挿入し、ラパマイシン処理によりDiCreを活性化することで標的部位が切断されるコンディショナルノックアウト(cKO)システムを利用する。 2022年度は、標的リン脂質生合成分子のcKO原虫の作出、およびハマダラカを用いたPf感染実験系の立ち上げを行った。標的遺伝子にDiCre認識配列を導入するためのプラスミドをDiCre発現原虫にトランスフェクションし、薬剤選択を行った。PCRにより、得られた遺伝子改変原虫のゲノム上の標的部位にDiCre認識配列が導入されていることを確認した。しかし、この遺伝子改変原虫は薬剤選択の過程でDiCreの発現が消失しており、ラパマイシンによるcKOシステムが機能しないことが明らかとなった。その後、共同研究者により、改めてトランスフェクション及び薬剤選択が行われ、標的リン脂質生合成分子のcKO原虫が複数作出された。その遺伝子改変原虫はcKOシステムが機能していることが確認でき、赤内期における表現型解析が行われた。一方で、フランス・パスツール研究所からPf感染効率の高いハマダラカが分与され、当研究所内で飼育の安定化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年9月から2023年3月まで産前産後・育児休業を取得していたため、当初の計画より少し遅れている。1年間の期間延長申請を行ったため、2022年度に行う予定であった残りの研究計画は2023年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、産休・育休取得のため進めることのできなかった2022年度の研究計画を中心に遂行していく。 ①2022年度に作出の完了していない標的分子のcKO原虫を作出する。 ②cKO原虫のガメトサイト形成能の評価を行う。 ③cKO原虫をハマダラカに感染させ、オーシスト・スポロゾイト形成能の評価を行う。 2024年度以降は、電子顕微鏡によるcKO原虫オーシストの膜構造解析、cKO原虫スポロゾイトの肝内期における増殖能の評価、標的脂質代謝酵素の発現と局在の解析を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)