独自行動試験によるうつ病モデルマウスの多様なうつ様行動の評価とその神経基盤の解明
Project/Area Number |
22K15754
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 のぞみ 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90802819)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | うつ病 / モデルマウス / ストレス / 行動試験 / 個体レベル / 分子レベル / 神経行動学 / 行動学的解析 |
Outline of Research at the Start |
うつ病のげっ歯類モデルを使った基礎研究においては、主に強制水泳(尾懸垂)試験を“うつ様行動”評価の基軸とし、ヒト臨床でみられる“うつ症状”との乖離が指摘されている。本研究では “意欲の低下”や“ひきこもり”などヒトの臨床症状への外挿性の高い複数のマウスの“うつ様行動”を独自の行動試験を駆使して検証し、それぞれの行動障害について神経基盤を解明することを目的とする。多様なうつ様行動の障害とそれぞれの障害に関連する神経基盤という基礎的知見を明らかにすることで、将来的に新しい治療薬の開発や患者の主症状からの治療法の選択といった臨床応用に繋げたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
うつ病のげっ歯類モデルを使った基礎研究では、主に強制水泳試験や尾懸垂試験をうつ様行動評価の基軸とし、その神経基盤や薬効評価に焦点をあてた研究が展開されてきた。本研究では 意欲の低下やひきこもりなどヒトの臨床症状への外挿性の高い複数のマウスのうつ様行動を独自の行動試験を駆使して検証し、それぞれの行動障害について神経基盤を解明することを目的とする。 うつ病のマウスモデルとして反復社会的敗北(repeated social defeat stress: RSDS)モデルを使用した。一般的なRSDSのパラダイムではRSDS後に攻撃をしたマウスと同系統のマウス(本研究の場合ICR)を提示し、そのマウスに対する忌避行動を測定するが、本研究ではICR提示に加え、自身と同系統のB6に対する忌避行動も測定した。その結果、RSDSを経験したマウスはICRに対してだけでなく、新奇のB6に対しても忌避行動を示した。RSDSを経験していない対照マウスはB6に対して忌避行動を示さないことから、B6に対し高い忌避率を示すマウスはRSDSの経験が無関係のB6に対する社会性行動に影響し、“経験の過度の一般化”が起こっている可能性が示唆される。 次にうつ病の主症状の一つで“意欲の低下”に着目した。本研究では、申請者が独自に改良した effort-based decision-making taskを用い、RSDSによる報酬獲得意欲への影響を評価した。その結果、RSDSを受けたマウスは対照マウス並みに報酬(チョコレート)を取りに行く群と、チョコレートを取りに行くのをやめる群の2群に分かれ、RSDSによる報酬獲 得意欲への影響には個体差があることが明らかになった。また、RSDSの報酬獲得意欲への影響の程度と社会的忌避行動への影響の程度には相関はなく、どの神経回路に影響をうけるかに個体差があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4月に所属が異動となり、実験環境の立ち上げに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRSDSの影響の個体差の要因を探るべく、行動表現型の相関する分子の探索を行う。 具体的には関連脳部位の遺伝子発現をRT-qPCRにより定量すること、また血清の生化学的検査を行い、全身的な変化を検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Presentation] マイクログリア由来BDNFの過剰発現は発達期の社会脳形成を妨げる2022
Author(s)
小森崇史, 岡村和哉, 池原実伸, 井川大輔, 山室和彦, 山内崇平, 鳥塚通弘, 高田涼平, 森祐貴, 萱島善徳, 石田理緒, 遠藤のぞみ, 齋藤康彦, 西真弓, 牧之段学
Organizer
第45回日本神経科学大会
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