Project/Area Number |
22K15846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高田 紀子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10896096)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 甲状腺癌 / ヨード内用療法 / 放射線宿酔 / 甲状腺ホルモン / 被ばく / 副作用 / タイロゲン |
Outline of Research at the Start |
甲状腺癌の再発リスクの高い患者もしくは遠隔転移のある患者に対しては、放射性ヨード内用療法が行われており、前処置として甲状腺ホルモンを休薬するか、遺伝子組換えヒト甲状腺刺激ホルモン製剤(タイロゲン)注射を必要とする。放射性ヨード内用療法の主な副作用には、放射線被ばくに伴う吐き気や嘔吐、気分不良等の症状が挙げられるが、前処置の方法の違いによりこれらの副作用の頻度や重症度に違いがあるのかまだ明らかでない。本研究では前処置の違いと、放射線被ばくによる副作用の頻度や重症度を比較することにより、ヨード内用療法における放射線被ばくに伴う副作用にどのような因子が関係しているのかを明らかにすることが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
分化型甲状腺癌に対する放射性ヨード内用療法(RAI)の前処置として従来から行われてきた甲状腺ホルモン休薬法と、休薬を必要とせず患者本人の負担が少ないとされるタイロゲン法の2つがある。後者は甲状腺機能低下症状が起こらないことに加え、それに伴う腎機能低下が生じず腎排泄である放射性ヨードの排泄遅延が生じないことから患者被ばく線量が少ないことが過去の研究で示唆されている。しかし、前処置の違いでRAIの急性期有害事象である放射線宿酔の頻度や重症度に差があるのかは明確になっていない。本研究の目的は、この2法で放射線宿酔の頻度や重症度に差があるかを明らかにすることである。 放射線宿酔はRAIに限らず、他の放射線外照射でも起こりうる有害事象であるが、その原因の機序についての詳細は未だ明確になっていないこともあり、どのような臨床因子が放射線宿酔の起こりやすさや重症度と関連しているのかも明らかではない。本研究で前処置の違いが放射線宿酔の頻度や重症度に影響を与えるのか、またその他の臨床因子についても急性期有害事象との関連性について調査することで、急性期有害事象に関連する因子を明らかにし、有害事象発生のリスク評価や予防に生かしていくことが本研究の意義である。 評価方法は治療前、放射性ヨード内服2日後、退院1カ月後の3回にわたり、急性期有害事象を主観的に評価可能なPRO-CTCAE(日本語版)を使用した質問表を用いて、この2法での比較を行う。また、前処置の違いのみならず、内服線量やもともとの腎機能、被験者の体格などの他の臨床因子の影響も含めて放射線宿酔との関連性について比較評価を行う。2023年4月現在、35人の被験者についてのデータを得ることができており、今後も被験者の収集を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の比較に必要な被験者数は70症例を予定している。 2023年1-2月はに自施設のガンマカメラ更新のためヨード内用療法(RAI)を一時停止していたほか、2022年度末ごろよりヨウ化ナトリウムカプセル原料供給制限が発生し、2023年4月現在も続いているという状況は、当院におけるRAI実施数に影響を与えた。これにより本研究に必要な被験者数も当初予測より減少するに至ったが、主要評価項目である放射線宿酔の発生や重症度に関しては科研費採択前の2021年8月から収集している被験者データが利用できるため、それを合わせると予定症例数の半数にあたる約35例(タイロゲン群20例、休薬群15例)が収集できている。この点はおおむね予定通りの進捗状況と考えている。 なお、現在のヨウ化ナトリウムカプセル原料供給制限は、原料製造のメインサプライヤーが7月には稼働再開予定であり、それに伴い当科のRAI件数も回復する見通しである。従って、目標とする被験者数の収集も2024年9月末には達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、主要評価項目である放射線宿酔の発生や重症度に関する比較をするだけでなく、放射性ヨードシンチで模擬線源を用いた線量の半定量評価を行う予定であった。しかし2022年度の被験者数収集が予定よりやや遅れている問題に加え、模擬線源の入手量や廃棄等の問題のみならず放射性ヨードシンチ撮影を行うガンマカメラ更新などの問題で線量の半定量評価比較を行うことが難しい状況と考えている。一方線量の半定量比較を除いたデータについては2021年8月から科研費採択まで収集された被験者のデータが利用できるため、線量の半定量比較を除いたデータで研究を進めていくこととした。
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