Project/Area Number |
22K15856
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 浩之 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70829887)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | glymphatic system / 水動態解析 / MRI / 同位体顕微鏡 / 安定同位体 / 安定同位体イメージング |
Outline of Research at the Start |
近年、脳のリンパ系として新たに着目されているglymphatic systemは、脳内の老廃物を除去する重要な水の動きとされ、アルツハイマー病などの神経疾患の発症に関係していることが明らかになりつつある。脳のクリーニングに関与している可能性が高いが、glymphatic systemを取り巻く脳内の水の動きには多くの議論がある。 本研究の目的は、同位体標識した水と溶質トレーサーを共通プローブとして、MRIとクライオ同位体顕微鏡により、マクロからミクロレベルで脳内の水の動きをマッピングすることで、glymphatic systemの存在やメカニズムを明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
水の同位体MRイメージングにおいては、前年度でファントムで検証したT2-preparationパルスを利用した高速T2 mapping法を利用して、野生型ラットに髄注した17O標識水の脳内分布の可視化を少数の個体で試みた。空間分解能は0.4mm isoの3Dデータ、時間分解能は約4分の時系列データが得られ、髄腔内の17O標識水の分布を追跡可能であった。一方、脳実質への分布は信号変化が小さく、また、信号収集法(bSSFP)に起因するartifactの変動により、時系列方向の定量値の変動が大きかった。パラメータ調整やその他の信号収集法(GRE)への変更が必要と考えられた。従来法(T2強調画像連続撮像)を用いたAQP4KOラットの解析においては、動注した17O標識水の脳内動態に野生型と比較した顕著な差はみられなかったが、髄注した17O標識水の脳内への分布は野生型と比較して低下していることが明らかとなり、AQP4がglymphatic pathwayを介したCSF-ISF交換を制御している可能性が考えられた。 溶質の脳内イメージングにおいては、AQP4 KOラットにGd造影剤を髄注し、野生型ラットと脳内分布を比較したところ、AQP4 KOラットでは脳内へのGdの分布と、鼻腔経路を介した脳外へのGd排泄が抑制され、その結果、髄腔内にGd造影剤が貯留していることが明らかとなった。 組織レベルでの脳内17O分布をクライオ同位体顕微鏡でみるための、サンプル処理のワークフローの改善を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度ファントム検証を完了した高速T2mappingによる17O-MRイメージング法により、野生型ラットでの性能検証を実施中である。いくつかのパラメータ調整を終えたのち、AQP4KOラットやAQP4阻害剤、確立済の病態モデル(頚部リンパ節結紮、脳梗塞モデル)での検証を次年度実施できる準備が整っている。また、従来法(T2強調画像連続撮像)ではAQP4KOラットの検証を終えている。 クライオ同位体顕微鏡解析においては、クライオサンプルの解析を行うことが可能なワークフローが構築されている。MRIでの結果を検証した上で、必要な解析対象に対して、クライオ水ミクロイメージングを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高速T2 mapping法による17O-MRIのいくつかのパラメータ調整を行った後、AQP4-KOラットの水動態解析(髄注、動注)、病態モデル(頚部リンパ節結紮術、脳梗塞)を用いて、脳内水動態異常の可視化と解析を実施する。 また、MRIの結果を踏まえ、水動態に差異のある組織サンプルを対象に、クライオ同位体顕微鏡で分析を行う。
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