Project/Area Number |
22K16106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
船本 雅文 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40882064)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 心不全 / エピジェネティクス / TAC / ヒストン / クロトニル化 / アセチル化 |
Outline of Research at the Start |
高齢者の増加に伴い心不全患者がさらに増加する「心不全パンデミック」が予想され、心肥大期から心不全期への移行、非代償性心不全への進行プロセスの理解が、心不全の予防・治療に重要である。本研究ではヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾の違いに着目し、ヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾と心不全関連遺伝子発現との関連性を解明して、心不全発症の新規治療標的の開発に繋がる基盤を構築する。さらにヒストンの異常な翻訳後修飾は様々な疾患発症の原因となることから、この研究は心不全のみならずさまざまな疾病についての理解につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の増加に伴い心不全患者がさらに増加する「心不全パンデミック」が予想され、心肥大期から心不全期への移行、非代償性心不全への進行プロセスの理解が、心不全の予防・治療に重要である。ヒストンの翻訳後修飾は、分子構造的に同一修飾部位において異なる修飾が同時に起きることは困難であるため1種類に限られる。そこで、本研究ではヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾の違いに着目し、ヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾と心不全関連遺伝子発現との関連性を解明して、心不全発症の新規治療標的の開発に繋がる基盤を構築する。本研究では心不全の発症スイッチにおけるヒストンの翻訳後修飾の関与について、特に、アセチル化とクロトニル化に着目して、心肥大期から心不全期に発現が変化する遺伝子領域におけるヒストン同一修飾部位のアセチル化とクロトニル化を網羅的に解析する。これにより、ヒストンの同一修飾部位におけるアセチル化とクロトニル化ならびに心不全関連遺伝子発現との関連性を解明して、心不全発症の新規バイオマーカーや治療標的の開発に繋がる基盤の構築を目的とする。当該年度に実施した研究では下記の研究成果を得た。C57/BL6Jマウスに大動脈縮紮術(TAC手術)を行い圧負荷誘導性の心肥大モデルマウスを作成し、心肥大期におけるヒストンの同一リジン残基にけるアセチル化修飾並びにクロトニル化修飾について検討した。また、ラット初代培養心筋細胞を用いて心筋細胞肥大時に同様の検討を行った。その結果、心筋細胞肥大時並びに心肥大時にH3K9のアセチル化並びにクロトニル化が亢進していた。以上のことから、ヒストンの翻訳後修飾ごとに異なる遺伝子の発現を調整している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット初代培養心筋細胞を用いてフェニレフリンによる心筋細胞肥大時にヒストンの同一リジン残基における翻訳後修飾について検討した。ウエスタンブロッティング法を用いて検討した結果、コントロール群と比較して心筋細胞肥大時にヒストンのH3K9においてアセチル化並びにクロトニル化が増加していた。また、コントロール群として偽手術(Sham)を行ったマウス、大動脈縮窄術(TAC)により心肥大を誘導したマウスを用いてヒストンの翻訳後修飾について検討した。TACの2週間後にサクリファイスを行い、心体重比などにより心肥大を確認した。ウエスタンブロッティング法によりコントロール群と比較してTAC群でヒストンのH3K9のアセチル化並びにクロトニル化が増加していた。現在までにヒストンの同一リジン残基におけるヒストンのアセチル化並びにクロトニル化の亢進がin vitroとin vivoで確認できている。以上の結果から、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストンのH3K9のアセチル化並びにクロトニル化が心筋細胞肥大時並びに心肥大時に更新していたことから、心不全期にこれらの翻訳後修飾が変化するかどうか検討する。また、他の翻訳後修飾との関連についても検討する。心肥大期、心不全期にヒストンのアセチル化並びにクロトニル化が変化していた場合、これらのヒストンの翻訳後修飾がどのような遺伝子領域で変化しているのか、どのような遺伝子の発現制御に関連しているのかChIP-sequence並びにRNA-sequenceとの統合解析により検討する。また、心肥大期と心不全期でこれらのヒストンの翻訳後修飾が遺伝子領域ごとに変化するかどうか検討する。さらに、これらの翻訳後修飾を制御しているタンパク質の同定も並行して行う。
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