Project/Area Number |
22K16418
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
河井 伸太郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60794807)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 非β細胞腫瘍性低血糖 / NICTH / IGF2 / SFT / NAB2-STAT6 |
Outline of Research at the Start |
非β細胞腫瘍性低血糖(NICTH)は、低血糖を生じる数ある病態の中でも、その発症メカニズムが最も明らかでない疾患の1つである。 NICTHを生じる典型的な腫瘍として知られている孤立性線維性腫瘍(SFT)は、近年その病因遺伝子がNAB2-STAT6融合遺伝子と呼ばれる転写活性化融合遺伝子であることが明らかにされつつある。 本研究では、この転写活性化融合遺伝子の発現と低血糖発症との関連性に着目して解析を行うことで、NICTH発症の詳細なメカニズムの解明に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
非β細胞腫瘍性低血糖(NICTH)の詳細な発症メカニズムが長らく不明なままである原因の1つとして、疾患の稀少性があげられる。それゆえ、新規NICTH症例の集積は極めて重要である。本研究では、孤立性線維性腫瘍(SFT)症例の臨床データを継続的に蓄積し、それらを解析することにより、NICTH発症の臨床像を明らかにすることを計画していた。 その計画に従い、当該年度においては、前年度に新規登録したNICTH症例3例を加えたbig IGF2の定量的解析、インスリン受容体に結合能を持つインスリン、IGF1、mature IGF2の血中濃度測定等の代謝作用的側面でのデータ解析、腫瘍径との関連性等の細胞増殖作用的側面でのデータ解析を進めた。3例のwestern immunoblotの結果はすべて、これまで本研究に登録済のNICTH症例のwestern immunoblotの所見同様、big IGF2の発現亢進およびmature IGF2の抑制を示していた。インスリン、IGF1、mature IGF2の血中濃度についても、登録済のNICTH症例と同様、非NICTH症例群と比較して抑制傾向を示していた。 さらには、少ない症例数をカバーするために、一部の登録症例の組織標本に対して次世代シーケンサーを用いた網羅的な遺伝子発現解析を予定しており、解析に必要なスライド標本の作製やNGSシーケンシングに必要なプローブの設定など、実験条件の設定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規症例の登録・解析状況については、十分な数を確保できているとはいいがたいものの、疾患の稀少性を考慮すると最低限の数は確保できているものと判断している。 前年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、診療業務量が研究計画作成当初に想定していたものより大幅に増加し、当初予定していた実験施設の利用に制限がかかってしまった。これにより、腫瘍における転写活性化融合遺伝子の発現とNICTH発症の関連性にかかる細胞実験については、やはり当該年度においても計画当初よりも遅れている状況である。しかし、その分実験施設の使用を要さないデータ解析を先行させており、さらには網羅的な遺伝子発現解析の検討を加えることで、計画していた細胞実験の一部をカバーする方針としている。これにより、当該年度に予定していた細胞実験を次年度内に終了させる目途を立てている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度で次世代シーケンサーを用いた網羅的な遺伝子発現解析を完了させ、NICTHの発症メカニズム、特にIGF2遺伝子の過剰発現に大きく影響を与える因子の有無について検討を進める。 さらに、転写活性化融合遺伝子とIGF2遺伝子の発現に関する細胞実験を進めていく予定である。
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