Project/Area Number |
22K17706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
木村 新 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (20878243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | ばらつき / 成功率 / 技能 / 再現性 / 協調性 / 動作解析 |
Outline of Research at the Start |
熟練者はいかにして投射物の到達位置のばらつきを抑えているのか。この問題は、これまで関節の動作同士の協調性の観点から検討されてきた。しかしながら、投射物の到達位置のばらつきは関節の動作の再現性を高めることによっても抑えることができる。そのため、上記の問題を解決するためには、関節の動作同士の協調性に加えて、再現性も考慮する必要がある。そこで、本申請課題では投射物の到達位置のばらつきを抑える協調性と再現性が評価可能な手法を新たに構築する。そして、構築した手法を応用することで、投射物の到達位置のばらつきを抑える熟練技能の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、再現性を分析する枠組みの考案と熟練技能の形式化に焦点を当てた研究を行った。従来の身体運動科学研究では、関節の動作同士あるいはリリースパラーメーター(リリース時のボールの位置、速度、角速度)の協調関係に着目することで、投射物の到達位置のばらつきを抑える熟練技能を検討してきた。一方で、協調関係だけではなく、関節の動作同士やリリースパラーメーター自体の再現性を高めることも熟練技能となり得る。これまで、協調関係を検討するための分析枠組みは考案してきたが(Kimura et al., Human Movement Science, 2021)、再現性に関する分析枠組みは考案できていなかったので、この問題の解決に取り組んだ。 構築した協調性と再現性の分析枠組みを応用することで、熟練技能の形式化が可能となる。具体的には、熟練者と非熟練者を比較し、両者に同様の協調性や再現性がみられた場合、それらは習熟度合いとは関係なく生じうるものであると解釈される。一方で、両者で異なる協調性や再現性がみられた場合、それらは習熟することで獲得された技能であると解釈される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に行った研究は、論文としてまとめ国際誌に受理された (Kimura et al., Human Movement Science, 2023)。加えて、2023年度に行っている新たな研究については再現性の分析枠組みも構築し、本実験のデータの取得も完了しているので、研究計画全体としてはおおむね順調に進行していると考えられる。 本研究ではリリースパラーメーターからボール到達位置を予測する物理モデルを構築し、このモデルと取得されたリリースパラーメーターのデータを用いて、ボール到達位置のばらつきを抑える協調性と再現性を検討している。協調性の分析にあたっては、まず変数同士を無相関にした場合の成功率やばらつきを算出する。そして、その成功率やばらつきが実測のそれらよりも減少していた場合、変数同士は協調していたと解釈される。再現性の分析にあたっては、変数同士を無相関にした場合の成功率やばらつきが、実測のそれらと変わらなかった場合、変数同士は再現性を高めていたと解釈される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、複数の目標点に対して精緻な投げ分けを可能にする熟練技能の形式化を行う。具体的には、熟練者と非熟練者を対象に、複数の目標点 (目標点a, b) に対する投球を50球行わせる。その際、どちらか一方の目標点への投球が50球終わった後に、もう一方の目標点への投球を50球行わせる。目標点が異なれば、投射物が目標点に的中するリリースパラーメーター間の組み合わせも異なる。そして、複数の目標点に投球させた場合、変数間の組み合わせによって概ね2つのタイプが存在すると考えられる (タイプA, B)。タイプAは、変数を相対的に変化させることなくそれぞれの的へ投げている一方、タイプBは変数を相対的に大きく変化させることで、それぞれの目標点へ投げている。本研究では、熟練者と非熟練者がどちらのタイプに当てはまるのかを検討する。
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