気候変動に対する適応策における官民連携:日本の公共主体と民間企業の事例分析
Project/Area Number |
22K18066
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹前 由美子 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (30915492)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 適応策 / 気候変動 / PPP / 官民連携 / 民間企業 / 公共主体 |
Outline of Research at the Start |
気候変動への適応策の不足が課題となっているが、それを克服しうる手法として、PPP(官民連携)が注目されている。日本の適応策は重要であるにもかかわらず、分野別にPPPがいかなる機能を果たしているかについて明らかにした研究は見られない。したがって本研究は、文献調査およびインタビュー調査を通じて、日本の適応策PPPについて、分野別に総合的に整理・分類し、事例調査からPPPの特徴と工夫を明らかにすることを目的とする。 これにより、これまで個別事例単位で行われてきた適応策PPP研究の拡充に寄与するとともに、日本と同じ先進諸国における適応策PPPの推進に関する議論の前進に貢献することが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
気候変動への適応策を拡充する手法として、PPP(官民連携)が注目されており、本研究は、日本の適応策PPPについて、分野別に総合的に整理・分類し、事例調査からPPPの特徴と工夫を明らかにすることを目指すものである。 令和4年度は、まず公共政策分野・気候ガバナンス分野の先行研究を概観し、国内外の知見の整理・体系化を行った。日本のPPP研究に目を向けると、大部分はインフラ整備の文脈から研究が行われており、法制度、パートナーシップのあり方、日本企業の海外進出、促進要因、課題などが検討されている一方で、天気予報サービス、農業技術、保険などの非インフラ対策を含む適応策PPPはあまり注目されてこなかったことが判明した。 続いて、日本の適応策PPPの実施状況の把握のため、文献・インターネットを用いた調査を行った。入手可能であった日本の適応策事例193件の中からPPPを抽出・整理すると、最も事例の多いものは国民生活・都市生活に関するものであり、反対に自然生態系に関連する適応策PPPは存在しなかった。国民生活・都市生活には、インフラが含まれており、適応策PPPについてもインフラ関連の案件が多いことが明らかとなった。 さらに、適応策PPP案件の中から、比較的案件数が豊富で、日本の事例の中でも早期から取り組みがなされてきた保険分野に着目し、特徴的な2つの案件を選定し聞き取り調査を実施した。それぞれの案件は、一つはCSR、もう一つはビジネスといったように目的が異なるが、両者ともその案件の特性上、公的主体との連携が求められていることが明確となった。CSRとしてのマングローブ植林は地域社会と密接に関わっているため、自治体との連携が必要である一方で、事業としての天候保険は、民間企業が単独で事業を行うにはリスクが大きすぎるため連携が求められることが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づいて、先行研究が示す知見の整理・体系化、日本の適応策PPPの実施状況の把握のための調査、適応策PPPのロングリストの作成を行なった上で、プレ調査として保険会社への聞き取り調査を実施し、知見が得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画を基本とし、最終年度に日本の適応策PPPの課題や対策、今後の展望などを明らかにするべく、2年目にあたる令和5年度は、PPPに含まれる公共主体および民間企業に対してインタビューを実施する。インタビュー調査の結果を分野別に取りまとめ、比較を行う予定である。比較分析の結果をもとに、論文を執筆する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)