Project/Area Number |
22K18370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 45:Biology at organismal to population levels and anthropology, and related fields
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山平 寿智 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 潤 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (80346105)
楠見 健介 九州大学, 理学研究院, 講師 (00304725)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
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Keywords | ミトコンドリア / ヘテロプラズミー / メダカ / 共生 / 種間交雑 |
Outline of Research at the Start |
申請者らは近年,古代の種間交雑に起源するヘテロプラズミーを,スラウェシ島の古代湖に生息するメダカで発見した.予備解析の結果,異種由来のミトコンドリアは新たな宿主の中で独自に進化しており,コーディング遺伝子の読み枠は正常で,かつ塩基置換の多くが非同義であることがわかった.本研究では,この異種由来のミトコンドリアがどのように宿主による排除機構の網をかいくぐり,独自の機能を獲得して新たな共生関係を築き上げてきたかを解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
種間交雑による雑種胚では精子由来のミトコンドリアが分解されず,2つのミトゲノムが共存するヘテロプラズミーという状態になることがある.ヘテロプラズミーは通常集団中から速やかに除去されるが,申請者らは近年,古代の種間交雑に起源するヘテロプラズミーを,スラウェシ島の古代湖に生息するメダカ(マタネンシスメダカ)で発見した.本研究の目的は,この異種由来のミトコンドリアがどのように宿主による排除機構の網をかいくぐり,独自の機能を獲得して新たな共生関係を築き上げてきたかを解明することにある. 本年度は,マタノ湖からヘテロプラズミー個体とホモプラズミー個体を採集し,活かして日本に持ち帰る準備を進めた.具体的には,ヘテロプラズミーのミトコンドリアハプロタイプに特異的なプライマーセットをデザインし,ミトコンドリア遺伝子のPCRと電気泳動のバンドパターンから,ヘテロプラズミー個体とホモプラズミー個体を現地で活かしたまま判別する手法を開発した.そして,実際にマタノ湖に行って,湖からランダムに個体を採集してヘテロプラズミー個体とホモプラズミー個体とのスクリーニングを行った.そのスクリーニングの結果をもとに,ヘテロプラズミー個体とホモプラズミー個体を数個体ずつ活かして日本に持ち帰った.日本で再度各個体についてPCRとキャピラリーシーケンシングでヘテロプラズミーとホモプラズミーの同定を行ったところ,いくつかの個体で誤同定があることが判明したので,新たなプライマーの開発を進めた. 加えて,ヘテロプラズミー個体とホモプラズミー個体のゲノムの分化に関する解析も行った.両者の間でゲノムが完全に分化している領域がゲノム上に点在していることが判明し,これらの領域にどのような既知の遺伝子があるかの解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた採集調査を行うことができたことから,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度使用額(527万円)は,試薬や消耗品費(約100万円),海外旅費(約100万円),飼育補助員雇用費(約100万円),および次世代シーケンス代(約200万円)に使用予定である.
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