Project/Area Number |
22K18608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松浦 俊彦 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50431383)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 海洋環境教育 / 海洋リテラシー / 国際展開 |
Outline of Research at the Start |
近年の若年層を中心とした海離れは、将来の環境意識の低下につながると懸念されている。海の豊かさを守るためには、日本に限らず、多くの国々で海への関心と理解を深める環境教育が求められている。特に、「海洋リテラシー」を育むための学びが、理科に欠落している状況が指摘されており、世界的に大きな変革が急務である。本研究は、日本とフィリピンを対象とした海洋環境教育の現状を比較分析し、両国における海洋環境教育の課題を明らかにする。その上で、理科を主軸に「海洋リテラシー」を体系的に育む海洋環境に関する共通授業を開発し、日本のみならず、教育環境が整っていない発展途上国等の海洋環境教育の変革を先導する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の若年層を中心とした海離れは、将来の環境意識の低下につながると懸念されている。海の豊かさを守るためには、日本に限らず、多くの国々で海への関心と理解を深める環境教育が求められている。特に、「海洋リテラシー」を育むための学びが、理科に欠落している状況が指摘されており、世界的に大きな変革が急務である。本研究は、日本とフィリピンを対象とした海洋環境教育の現状を比較分析し、両国における海洋環境教育の課題を明らかにする。その上で、理科を主軸に「海洋リテラシー」を体系的に育む海洋環境に関する共通授業を開発し、日本のみならず、教育環境が整っていない発展途上国等の海洋環境教育の変革を先導する。 令和5年度は、北海道函館市とその周辺に重点を置いた現地調査に基づき、地域特有の海洋資源を活用した生物教材を開発した。名称等を日本語と英語で併記するなど国際展開を指向した工夫を施した。また、教材に QR コード等を付加して動画や詳しい説明へリンクするなど海への関心と理解をさらに深めるように工夫した。さらに、開発教材を活用した授業のための指導案を作成し、「海洋リテラシー」を育む工夫を試みた。一方、フィリピンのイロイロ州エスタンシア地区の沿岸部をモデル地域とした現地調査では、研究協力者を中心に、情報共有を密にしながら協働してすすめた。そして、研究協力者を日本に招へいし、対面にて研究打ち合わせを実施するとともに、日本国内の学会にて発表した。 本研究で得られた成果は、学術論文2編にまとめるとともに、学会にて3件発表した。そのうち1件の発表は、日本理科教育学会北海道支部大会2023から発表賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、現地調査と教材開発を予定通りに実施することができた。特に、教材開発は昨年度の研究計画1年目に、Hands-onおよびデジタル教材の開発を前倒しで着手することができたため、教材開発にかける時間を当初計画よりも充実させられた。このことが功を奏して、学会で発表賞を受賞するなど、本研究成果が高く評価された。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止にともなうフィリピン政府によるコミュニティ隔離措置および日本政府による入国・査証制限措置が解消されたことで、フィリピンの研究協力者と対面にて研究打ち合わせを実施することができ、Web会議よりも情報共有を密にしながら協働してすすめることができた。さらに、授業開発が当初計画よりも進展し、開発教材を活用した授業のための指導案を試作することができた。 以上のことから、本研究は当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
3年計画の最終年度である令和6年度の計画は、主に文献調査、現地調査(インタビュー、アンケート、資源探索)、教材開発(Hands-on、デジタル)、授業開発(指導案、試行)である。現地調査の対象は日本の北海道函館市とフィリピンのイロイロ州エスタンシア地区の沿岸部をモデル地域とする。日本の調査は研究代表者が、フィリピンは研究協力者が担当し、情報共有を密にしながら協働してすすめる。文献調査、教材開発、授業開発は研究補助者が加わって研究を推進する。 教材開発では、引き続き、地域特有の海洋資源を活用した生物教材を新規で開発し、教材の充実を図る。そして、これまでの知見を生かして、国際展開を指向した工夫やデジタル技術を駆使した海への関心と理解をさらに深めるような工夫をさらに施す。授業開発では、開発教材を活用した授業のための指導案を作成する。身近な海洋生物やエコシステムなど海洋環境に関する内容をもとに、「海洋リテラシー」を育む工夫を施す。そして、研究代表者および研究協力者の勤務校の附属学校にて授業を試行し、指導案および教材の改善を図る。現地調査では、日本とフィリピンの小中高校を訪ね、授業後の児童・生徒の「海洋リテラシー」を調査し、教育効果等を整理する。そして、調査結果をフィードバックさせて教材開発のさらなる改善を図る。ただし、現地調査と研究打ち合わせのための海外渡航等が予定通りに実施できない場合は、Web会議等を活用するなど実施方法等を柔軟に変更しながら、本研究目的の達成を目指す。 本研究で得られた結果を取りまとめ、学術誌への論文投稿および学会での発表等、研究成果を外部発表する。
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