Project/Area Number |
22K19200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板倉 光 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40749040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇谷 量子郎 東京大学, 大気海洋研究所, 特任准教授 (00816069)
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
羽根 由里奈 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (10971426)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 回遊履歴推定 / 酸素安定同位体比 / バイオテレメトリー / 広塩性魚類 / 生態系の繋がり / Sr同位体 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、海と川間を移動する通し回遊魚を対象とし、これまで生活史・年単位で大雑把に推定された回遊履歴に関して、複数器官のストロンチウム同位体分析を用いて、日から季節単位での回遊履歴推定法を飼育実験により確立し、(2)野外個体に応用して海と川間の移動状況を推定し、(3)その推定結果とテレメトリーによる移動実測結果を照合し、同位体分析法の有効性を評価する。本研究は、複数器官の同位体を最先端技術を駆使して分析し、未知である通し回遊魚の短期的移動の理解を通して、テレメトリーで推定可能な高時間解像度の回遊履歴が、テレメトリーから得難い多個体から得られるようになる点において挑戦的で意義深い。
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Outline of Annual Research Achievements |
我が国を含む島嶼地域の河口域や河川では、塩分環境の異なる海と川間を移動する通し回遊魚が優占する。本研究では、通し回遊魚が特に優占する奄美大島の河川と周辺海域を調査地とし、これまで「海で生まれて川で成長する」など生活史単位や年単位で大雑把に推定するのが限界であった通し回遊魚の回遊履歴に関して、複数の体組織の酸素安定同位体比・微量元素分析を用いて日から季節といった高解像度で推定する方法を確立・応用することで、通し回遊魚の回遊生態を推定する。また、その推定結果とテレメトリーによる移動実測結果を照合し、同位体分析法の有効性を評価する。本年度は、奄美大島の複数河川および山間湾、喜界島の河川と海域においてテレメトリー実験の立ち上げを行った。2023年5月から7月にかけて対象水域で採集したオオウナギ、ミナミクロダイ、ゴマフエダイ、アセウツボ計65個体に発信機を装着して放流し、事前に設置した受信機において対象種の移動を調査した。これまでに2度データを回収し、順調にデータが取得できていることを確認した。体組織分析については、昨年度夏季に複数河川の淡水域で捕獲したミナミクロダイ、オオクチユゴイ、オオウナギの血液と筋肉の酸素安定同位体比を分析し、両者が全て環境水と同様の値を取ることから調査水域では夏季に数日から1ヶ月程度淡水域に留まっていたものと推察された。耳石についても微量元素を分析し、回遊パターンが把握できつつある。そのほか、海域においてミナミクロダイを、河口の閉鎖具合が異なる2河川よりオオクチユゴイをそれぞれ採集した。これらの個体については耳石による回遊履歴の推定を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオテレメトリー実験を立ち上げることができ、順調にデータの回収を行うことができた。体組織の分析についても随時進めることができたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
数ヶ月に1度現地を訪れて受信機よりデータを回収し、長期的な回遊生態を把握していく。また、体組織分析については、特に耳石分析を進めていく予定である。
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