Project/Area Number |
22K19241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 達哉 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80727652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
川野 竜司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90401702)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | オルガノイド / 猫 / オーガンオンチップ |
Outline of Research at the Start |
ヒトと同様に猫の高齢化が進むことで治療の機会が増えているが、病態解明につながる研究がほとんど進んでいない。そこで本研究では、猫の正常肺、腸管、肝臓および腎臓オルガノイドを搭載したマイクロ流路デバイスを作製し、猫から分離された新型コロナウイルスを含む様々なウイルスを灌流させることで多臓器への直接的な影響やウイルス遺伝子の増幅や変異パターンの時空間的解析を行い、猫の生体内におけるウイルス感染症に対する制御機構を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、患者由来の細胞をディッシュ上で三次元的に培養する方法として、オルガノイド培養法が開発された。我々はこれまでの研究活動においてオルガノイドを搭載可能な独自のオーガンオンチップシステムをデザインし、犬のオルガノイドを用いたウイルス灌流実験に使用可能であることを明らかにしたが、猫の複数の異なる臓器由来のオルガノイドを搭載した流路デバイスはいまだに開発されていない。そこで、本研究では、猫の多臓器オルガノイドを搭載したオーガンオンチップシステムを確立し、ウイルス性疾患やがんの相互作用メカニズムを明らかにする。 今年度は猫乳がんオルガノイド細胞を流路デバイスに搭載し、灌流実験を実施した。最適な流速や、オルガノイドのサイズを検討したのちに、灌流の有無によるオルガノイドへの影響を検討した。また、抗がん剤としてトセラニブを長期間灌流した際の生存率への影響を検討した。灌流を行ったオルガノイドでは、生存率への影響はほとんどないことが分かった。一方で、トセラニブを灌流したオルガノイドでは、灌流しなかった場合に比べて生存率の減少が観察された。これらの結果から、流路デバイスでの抗がん剤の暴露は通常のアッセイと異なるメカニズムでオルガノイドの生存率を低下させる可能性が示唆された。 今後は、灌流後のオルガノイドのRNAシークエンス解析を実施し、より詳細なメカニズムを明らかにするとともに、腸管や心臓細胞を搭載した状態での抗がん剤灌流の評価を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は主に下記の項目の実験に進捗がみられた。 猫乳がんオルガノイドを搭載したオーガンオンチップの確立:猫乳がんオルガノイド細胞を流路デバイスに搭載し、灌流実験を実施した。最適な流速や、オルガノイドのサイズを検討したのちに、灌流の有無によるオルガノイドへの影響を検討した。また、抗がん剤としてトセラニブを長期間灌流した際の生存率への影響を検討した。灌流を行ったオルガノイドでは、生存率への影響はほとんどないことが分かった。一方で、トセラニブを灌流したオルガノイドでは、灌流しなかった場合に比べて生存率の減少が観察された。これらの結果から、流路デバイスでの抗がん剤の暴露は通常のアッセイと異なるメカニズムでオルガノイドの生存率を低下させる可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に下記の項目の実験を進める予定である。
灌流後のオルガノイドのRNAシークエンス解析を実施し、より詳細なメカニズムを明らかにするとともに、正常腸管オルガノイドやiPS細胞由来心臓細胞などを搭載した状態で抗がん剤灌流実験を行い、癌細胞と正常細胞への抗がん剤暴露を同時に評価可能なシステムを確立する。
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