Project/Area Number |
22K19497
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
石橋 大輔 福岡大学, 薬学部, 教授 (10432973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨川 舞 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10509186)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 難治性疾患 / 核酸医薬 |
Outline of Research at the Start |
核酸医薬は遺伝子に作用するその特異的作用機序により、これまでに治療法のなかった遺伝性疾患を含む難治性の稀少疾患に対する次世代医薬品として注目を集めている。本研究では、核酸送達のための製剤設計を基盤として、難治性疾患を対象に、疾患に合わせた臓器指向性機能を有する核酸医薬による治療効果を検証し、転移性がん疾患、神経変性疾患の核酸医薬を用いた次世代新薬開発を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、核酸送達のための製剤設計を基盤として、難治性疾患を対象に、疾患に合わせた臓器指向性機能を有する核酸医薬による治療効果を検証し、転移性がん疾患、異常化したタンパクの凝集によって引き起こされるミスフォールディング病とよばれる神経変性疾患(プリオン病、タウオパチー)の核酸医薬を用いた次世代新薬開発を目的とする。初年度(2022年度)には、ペプチドを利用した高効率siRNAデリバリーナノ粒子の創製に関する検討を行い、その中でもトリプルネガティブ乳がん特異的に発現が認められる膜タンパクへ高い結合能を有する機能性ペプチドをナノ粒子表面に配置したがん標的ナノ粒子の調製を行った転移がんに関するプロジェクトでは、in vitro評価において良好な成果を得たため、次年度(2023年度)には、in vivo評価としてゼブラフィッシュを用いた乳がん移植モデルにおいて、静脈内投与後の血液循環におけるがん細胞への集積性、siRNAの血中安定性について評価した。その結果、製剤化することによりsiRNA単独投与に比べ血中安定性は有意に向上し、原発巣と転移巣の両方のがん集積性も確認できた。本モデルは、原発巣と転移巣の両方が評価可能なモデルであるが、全身循環することにより投与箇所に近い原発巣と投与箇所から離れた転移巣を比較すると、転移巣のがん細胞への集積が原発巣より減弱する結果が得られた。全身循環中に、一部免疫細胞へトラップされることに起因すると考えられた。この点は次年度の課題である。また、ゼブラフィッシュを用いた体内度体評価は、BBB透過性の評価も容易なため最終年度は、ゼブラフィッシュを用いたプリオン病、タウオパチー治療を想定した中枢移行性評価も検討予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定していた計画通り、初年度に製剤調製と製剤の物性評価、in vitro評価を実施し、次年度にin vitro評価および生体モデルを用いた体内における標的指向性、核酸の安定性評価が実施できた。来年度は病態モデルでの薬効評価を重点的に行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度では、転移がんに対する病態モデルマウスを用いた薬効評価にシフトする。すでにゼブラフィッシュの乳がん移植モデルで確認したがん集積性を示す製剤を用い、マウスでのがん集積性、薬効評価を実施する。他の疾患モデルに関しては、候補標的遺伝子を用い機能性ペプチドを活用したBBB透過性/脳指向性を兼ね備えた新規ナノ粒子設計を行い、ゼブラフィッシュを用いた脳指向性評価を行うことで最適化する。製剤設計には、分子動力学シミュレーションによるインシリコ構造予測解析などを駆使し、BBB透過効率の高いペプチドを設計することで効率化を図る。In vivoモデル実験では、病原体プリオンを感染させたプリオン病モデルマウス、タウタンパク遺伝子を改変したタウオパチーモデルマウスに対して、標的因子に対する核酸医薬製剤投与後の生存期間、臓器の病理学的・生化学的解析により、その治療効果を明らかにする予定である。
|