がんに起因する脳の糖鎖のリモデリングに着目した革新的がんリハビリテーション研究
Project/Area Number |
22K19713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神野 尚三 九州大学, 医学研究院, 教授 (10325524)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | がん / 認知機能障害 / 海馬 / オリゴデンドロサイト / ミエリン / JAK-STATシグナル伝達経路 / 糖鎖 / パルブアルブミン / リハビリテーション |
Outline of Research at the Start |
がんは三大疾病の一つであり、厚労省の統計では1981年以来、日本人の死因の第一位である。本研究で我々は、「がんに由来するケモカインによる脳の糖鎖のリモデリングがPVニューロンに機能変調をもたらし、がん関連認知機能障害を招く」とする新たな仮説の検証を行い、糖鎖をキーワードとする分野横断的研究によりCRCIの解明と革新的がんリハビリテーションを創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんに伴う認知機能障害 (Cancer-related cognitive impairment, CRCI) に関する基礎研究を推進した。本年度の研究においても、メラノーマ細胞株の移植によって担がんモデルマウスを作出し、テストバッテリーによる行動学的解析に取り組んだ。担がんマウスでは、オペラント条件づけに基づく遅延見本合わせ試験における学習機能の低下や、恐怖条件づけ試験における長期記憶の低下、強制水泳試験におけるうつ様の増加、高架式十字迷路試験における不安関連行動の増加、などが認められた。一方で、Y字迷路試験における短期記憶に異常は認められなかった。これらから、担がんモデルマウスがCRCIのモデルとして妥当性を有することが示唆された。次に、抗体アレイを用いて血中サイトカインのスクリーニングを行い、オリゴデンドロサイトとの相互作用が知られているケモカイン (CCL2, CCL8など) の血中濃度が上昇していることを見出した。オプティカルダイセクター法による定量解析の結果、海馬のオリゴデンドロサイト前駆細胞とオリゴデンドロサイトの空間分布密度が一部で低下していることが示された。このため、海馬のケモカイン受容体関連遺伝子をRT-qPCRによって解析した結果、Ccr1やCcr2、IL27raなどの発現レベルの上昇が認められた。興味深いことに、コンドロイチン硫酸糖鎖抗原 (Cspg4) の発現レベルは低下していた。また新たに、CCL2に対する中和抗体を投与する実験を行ったが、CRCIに対する十分な効果は得られなかった。このため現在は、ケモカインによって活性化されるJAK/STAT経路の阻害剤を投与する実験に取り組んでおり、予備的な実験ではCRCIの症状が部分的に改善する結果が得られている。これらの結果は、CRCIの病態基盤について基礎的な知見を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メラノーマ細胞株の移植によるCRCIモデルマウスの確立に成功し、海馬におけるケモカイン受容体の発現変動を捉えることに成功している。また、ケモカインに対する中和抗体の投与実験や、JAK-STAT経路の阻害剤を用いる治療実験などに取り組み、一定の成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1:CRCIモデルマウスの作出と行動テストバッテリーによる認知機能評価:既に確立しているメラノーマ細胞株 B16F1を用いるマウスに加えて、新たに乳がん細胞株E0771細胞株をC57BL/6J系統マウスの皮下組織への移植を行い、担がんモデルをマウス作出する。行動テストバッテリーによる網羅的な認知・情動機能の評価を行う。がん細胞の移植部位や移植量を調整し、CRCIとして最も妥当性が高い乳がんモデルを確立する。 実験2:脳の糖鎖のリモデリングとケモカイン・ケモカイン受容体の発現変動の探索:レクチンアレイを用いて、CRCIモデルマウスのがん組織と血液、海馬の糖鎖プロファイリングを行い、糖鎖のリモデリングを網羅的に捉える。また、ペリニューロナルネットの組織化学的検討と、RT-qPCRによる糖鎖の異常発現に関わる分子群の探索を行う。また、ケモカインアレイキットを用い、CRCIモデルマウスの血中と海馬で発現変動を示すケモカインを半網羅的に探索する。 実験3:JAK-STAT経路阻害剤による実験的治療:CRCIモデルを作出した後、CRCIモデルマウスにおいて発現変動が確認されたケモカインやケモカイン受容体によって活性化されるJAK-STAT経路の阻害剤を投与する。これらのマウスの網羅的行動解析と分子生物学的解析、組織学的解析を行い、その効果を系統的に評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Chondroitin sulfate proteoglycan is a potential target of memantine to improve cognitive function via the promotion of adult neurogenesis.2022
Author(s)
Maeda, S., Yamada, J., Iinuma, K. M., Nadanaka, S., Kitagawa, H., and Jinno, S.
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Journal Title
Br. J. Pharmacol.
Volume: 179
Issue: 20
Pages: 4857-4877
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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