水中のナノプラスチックならびに水溶性ポリマーを検出・同定するための技術基盤の創成
Project/Area Number |
22K19844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
芹澤 武 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (30284904)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | ペプチド / ナノプラスチック / 水溶性ポリマー / 検出・同定 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
マイクロプラスチックによる海洋汚染が顕在化している。また近年では、より微小なナノプラスチックや、産業や日常生活で広く利用されている水溶性ポリマーの環境影響も指摘されている。これらの問題を解決に導くためには、河川や海洋、廃水等に含まれるポリマーの種類や量を調査あるいはモニタリングし、汚染や流出の状況を把握する必要がある。本研究では、分子プローブ法と機械学習の融合により、水中のナノプラスチックや水溶性ポリマーを信頼性高く、短時間かつ少量で検出・同定するための技術基盤を創成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水溶性ポリマーと相互作用し、特徴的で識別可能な蛍光シグナルを発する分子プローブを新たに設計・合成した。その後、得られた蛍光シグナル(教師データ)を分類するための最適な機械学習について検討した。また、その結果を指標として水溶性ポリマーの同定について検討した。本研究の分子プローブは、水中で非共有結合により水溶性ポリマーと相互作用する糊の部位と、その相互作用をシグナル情報へと高感度で変換するための蛍光部位とを有する設計とした。“糊”の部位として、短いペプチド鎖の可能性について検討した。ペプチドには、進化分子工学的手法によりこれまでに見出している、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)と強く相互作用するペプチドやその変異体を用いた。また、蛍光部位には、ポリマーと相互作用した際に、分子内回転運動性の変化や周囲の誘電率の変化に応じて蛍光強度や極大蛍光波長が変化する環境応答性蛍光基であるアニリノナフチル基を用いた。得られた一連のペプチド分子プローブは、様々な水溶性ポリマーと異なる強さや様式で相互作用し、それぞれの水溶性ポリマーに応じて多様な蛍光スペクトルを示した。得られた蛍光スペクトルのピーク強度や所定の波長間における強度比をそれぞれの水溶性ポリマーに対する特徴的な多次元のシグナル情報(つまり、学習データ)とし、教師あり・なしの機械学習を実施した。例えば、教師ありの多変量解析の一つである線形判別分析により、得られた多次元の情報を次元削減し、各水溶性ポリマーのシグナルを2次元プロット上で分類(クラスタリング)することに成功した。仮想的な未知試料であるテスト用の水溶性ポリマーの蛍光スペクトルを測定し、得られたシグナルを上記の2次元プロットに当てはめることで水溶性ポリマーを同定できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な水溶性ポリマーと相互作用し、それぞれに対して特徴的な蛍光スペクトルが得られるペプチド分子プローブの設計と合成に成功した。得られた蛍光スペクトルを教師データとする機械学習について検討し、水溶性ポリマーの分類と、その結果を指標とした水溶性ポリマーの同定にも成功した。ペプチド以外の糊部位やアニリノナフチル基以外の蛍光基については十分には検討できていないが、当初の目標とした、蛍光性の分子プローブを用いた多様な水溶性ポリマーの検出・同定について一定の成果を得ていることから、おおむね順調に推進していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ペプチド以外の糊部位やアニリノナフチル基以外の蛍光基についても検討することで、分子プローブを多様化し、水溶性ポリマーのより精度の高い分類、同定を目指す。また、水溶性ポリマーの分子量や濃度、ナノプラスチックのサイズや濃度に依存しない検出・同定を実現するために、規格化した蛍光スペクトルを教師データに用いた機械学習について検討する。さらに、溶液だけでなく、分子プローブを濾紙などに固定化して利用することについても検討し、紙ベースの検出・同定についても知見を得る。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)