In vivo nanoparticle imaging: organelle encapsulation into bacterial membrane vesicles
Project/Area Number |
22K19915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田代 陽介 静岡大学, 工学部, 講師 (30589528)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 膜小胞 / ガス小胞 / 超音波 / BRET / 微粒子 / オルガネラ |
Outline of Research at the Start |
細菌は直径約100 nm程の微粒子である「膜小胞」を細胞外に放出しており、疾病予防や医療応用の観点から、生体内における膜小胞の動態の理解が求められている。しかし、微粒子の動態を非侵襲で生体深部まで可視化する技術の確立が課題となっている。一方、一部の細菌では細胞内に気体を封入した「ガス小胞」を細胞内小器官(オルガネラ)として保持している。そこで本研究では、ガス小胞が超音波画像法で検出可能であることに着目し、ガス小胞を膜小胞に詰め込む技術の確立と膜小胞の非侵襲な生体内イメージングに挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細菌から細胞外に放出される直径約100 nmの微粒子である膜小胞は、宿主細胞へ病原因子を運搬する機能を有しており、多くの重篤感染症において重要な役割を担っている。膜小胞と疾病との関連性を理解するためには、細菌から放出された膜小胞を非侵襲で生体深部まで可視化する技術の確立が必要である。また、膜小胞は抗原や免疫誘発因子を細胞に送達する機能を有することから、生産性・安全性・安定性に優れたワクチン担体としても注目を浴びている。ワクチンの安全性評価・免疫獲得機構解明、さらにはドラッグデリバリー媒体の有用性評価においても、接種後における膜小胞の生体内動態の理解は非常に重要な情報となり得る。以上の背景から、生体深部に存在する膜小胞を非侵襲で可視化する技術構築を本研究の目的とした。 その達成に向け、超音波と蛍光検出を併用した生体内での膜小胞イメージング技術の創出を目指した。細菌のオルガネラであるガス小胞は、疎水性タンパク質で構成され、内部には細胞質に溶解している気体が充填されている。ガス小胞は超音波共鳴効果を有しており、超音波画像法の造影剤として有用である。さらに発光タンパク質と蛍光タンパク質複合体の発光共鳴エネルギー移動(BRET)により、基質添加で生体透過性の高い長波長光を発することが可能である。初年度では、膜小胞内へのガス小胞と発光タンパク質封入の検討を行った。大腸菌にガス小胞を形成させることは可能であったものの、膜小胞内への封入にはさらなる検討が必要であった。一方、発光検出用の膜小胞作製においては、大腸菌の主要外膜タンパク質であるOmpAに発光タンパク質と蛍光タンパク質を連結させ、長波長光を発する膜小胞を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々なサイズのガス小胞を形成するSerratia sp. ATCC 39006株のガス小胞遺伝子を大腸菌内に発現させ、膜小胞内に局在させることを目指した。2つの遺伝子クラスターであるgvpA1オペロンとgvrAオペロンをプラスミドのLacプロモーター下流にクローニングし大腸菌に導入すると、IPTG誘導下でガス小胞発現が確認された。このガス小胞をペリプラズム内に局在させるために、まずは大腸菌内でのガス小胞形成に必須な遺伝子の特定を試みた。ガス小胞の構成タンパク質、アッセンブリ、伸長のそれぞれに関与する遺伝子を大腸菌内で発現させても膜小胞が形成されなかったことから、オペロン内におけるその他の遺伝子が大腸菌内でのガス小胞形成に必須である可能性が示された。 発光検出用の膜小胞作製においては、大腸菌の主要外膜タンパク質であるOmpAに発光タンパク質teLucと蛍光タンパク質CyOFPを連結させた。OmpAは膜小胞の主要タンパク質でもあることから、大腸菌から放出された膜小胞内にもteLucとCyOFPが局在していた。さらに発光タンパク質の基質を膜小胞に添加すると長波長光が確認できたことから、BRETによる膜小胞発光の実験系が構築された。 以上のことから、ガス小胞の膜小胞局在についてはさらなる検討が必要なものの、発光膜小胞については既に構築済みであり、総合的に考えると順調に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌でガス小胞を形成させるために最小限必要な遺伝子を特定する。そして大腸菌ペリプラズムにガス小胞を局在させる手法を構築し、膜小胞内へのガス小胞封入を目指す。 また、BRETにより発光する膜小胞作製の実験系は構築されたため、実際にマウスに投与した際の動態を観察可能か検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)