Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、清朝と東アジア各国との関係において、仲介者として機能した「通事」の制度的実態を解明し、その具体的な役割を検討する。清朝と朝貢関係にあった琉球、朝鮮、ベトナム、および互市関係にあった西洋諸国を取り上げ、それぞれの関係における通事制度の在り方を実証的に解明した上で、既に豊富な研究蓄積のある、日本に所在した各種通事についての知見と合わせ、近世東アジア全域に当てはまる通事制度の概観を描き出す。これを通して、近世東アジア地域の国際関係における通事制度の重要性を指摘するのみならず、通事という切り口を通じて、近世東アジア地域における国際関係の特徴を明らかにすることを目指す。