Project/Area Number |
22K20085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0105:Law and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
湯本 あゆみ 東北大学, 法学研究科, 助教 (90965089)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 法的総体 / 相続財産 / フランス法 / フランス民法 / 資産 / 家族 / 人 / 相続 / 民法 / フランス民法学 / 家族財産法 |
Outline of Research at the Start |
「家族は、民法学上どのように現れ、構成されるのか(構成されるべきか)。」本研究は、大きくはこの問いの下に、フランス民法学上の議論を手掛かりに、検討の視角として法主体である「人(personne)」、客体である「財産(bien)」―特に包括的財産体を意味する「資産(patrimoine)」―といった法学上の基本概念に着目し、これらと「家族」との法的構造を分析して明らかにしようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に続いて「家族」に関わる包括的な財の存在について手掛かりをうるべく、特に「総体(universalite)」概念に注目しながら、相続財産といった「財」のみならず「人」とも密接に関連する「法的総体(universalite de droit)」「資産(patrimoine)」、そして財の総体に関するフランス法上の議論の一部について調査を行った。本年度に焦点をあてた「総体」概念は、フランス法史的に見れば、「財」と「人」を包摂するものであり、「資産」や法人の原点となる概念でもある。フランスにおいて、まだ試みは少ないものの、近時では「総体」という観点から個々の財とは区別されうる包括的な財産について検討し再構成を試みるものがあり、本年度はそれにかかる文献・資料の精読と検討を中心的に進めた。その結果、フランス法において、包括的ないし総体的な財の考え方・捉え方はその存否も含めて多元であり且つ多元でありうること、議論が蓄積されている「資産」についてもその「総体」中の位置づけや認識に差が見られること、夫婦財産制における共通財産といった積極財と消極財(財と債務)で構成される「資産」類似の財についても、その位置づけに一元的な見解はまだ見られないものの、「資産」「総体」といった概念や構造等を手掛かりに模索がされていること等を確認することができた。また、「家族」に関わる包括的な財に関する部分については、昨年度の成果も含めた研究結果の一部分を『法学』にて公表した。フランス民法学上、「「資産」=法的総体」として議論が展開されてきた傾向があるものの、必ずしも両者は同一ではなく、法的総体は「資産」を包摂するヨリ大きな概念であることから、こうした視点から家族財産法における「財」を検討しうる可能性などを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、研究成果の一部を公表することができたが、前年度に計画していた国外での文献収集が本年度にずれ込んだため、当初想定していなかった遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの成果を踏まえつつ、引き続き、文献を精読し内容の整理をして残りの研究成果公表のための準備を行う。
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