Project/Area Number |
22K20334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 雄也 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 博士研究員 (30967667)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 幾何学的量子化 / 完全可積分系 / 偏極 / オペラッド / シンプレクティック多様体 |
Outline of Research at the Start |
幾何学的量子化とは,シンプレクティック幾何学の言葉で量子化を定式化する数学的な試みの一つであり,その最初のステップは,シンプレクティック多様体に対して量子ヒルベルト空間と呼ばれる,ある種のベクトル空間を構成することである.これを実行するには偏極という追加データが必要であるが,物理学の観点から,量子ヒルベルト空間は偏極をどのように選んだとしても同型を除いて一意であると考えられている(偏極不変性の原則). 本研究ではオペラッド構造の観点から,様々な例で観察されている偏極不変性の原則由来の等式の数学的理解をさらに深め,その裏にある仕組みの解明を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した通り,様々な例で観察されている偏極不変性の原則についてオペラッド構造に着目した研究を行なった.本年度は昨年度に引き続き,空間多角形のモジュライ空間以外のオペラッド構造を備えた例の探索に取り組んだ.特に昨年度見つけた閉Riemann面上のSU(2)-平坦接続のモジュライ空間の幾何学的量子化に現れるオペラッド構造の結果について詰める作業が中心となった.そこでのオペラッド構造は空間多角形のモジュライ空間と時とは少し異なり,通常のオペラッドではなくモジュラーオペラッドと呼ばれる「種数をもったオペラッド」が必要になる.より具体的には,実偏極から定まる量子ヒルベルト空間の次元を統率する「漸化構造」は,パンツ分解を備えた点付きRiemann面のなすモジュラーオペラッドPants と,ある整数値関数からなるモジュラーオペラッドWを用いて,射 Pants → Wとして取り出すことができる.またケーラー偏極から定まる量子ヒルベルト空間についてはアファインLie 環の表現の言葉で定義された土屋-上野-山田による共形ブロックの空間と同型になることが知られており,これによって点付き Riemann 面のなすモジュラーオペラッドRiemからの射 Riem → Wが構成できる.これらの射の関係を調べることによって,閉 Riemann面上のSU(2)-平坦接続のモジュライ空間におけるJeffrey-Weitsmanの結果をオペラッド構造の観点から理解できた.加えて研究集会「East Asian Symplectic Conference 2023」および「日本数学会2024年度年会」において発表を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
体調不良の影響で想定以上の時間がかかってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き偏極不変性の原則の裏に潜むオペラッド構造の例の探索を進める.またこれと並行して中間偏極を考慮に入れた偏極不変性の原則の研究についても,関連資料や情報収集を行いながら取り組んでいく.
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