Theoretical study of information paradox using analogue black holes in electric circuits
Project/Area Number |
22K20357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0202:Condensed matter physics, plasma science, nuclear engineering, earth resources engineering, energy engineering, and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片山 春菜 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 助教 (70963685)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 擬似的ブラックホール / ソリトン / 超伝導量子回路 / ホーキング輻射 / 情報パラドックス |
Outline of Research at the Start |
ブラックホールは,極めて重力が強いため光でさえ抜け出すことができない天体である.そのブラックホールに吸い込まれた物体の情報が消去されるのか保持されるのかは,ブラックホールの情報パラドックスとして知られ,相対論と量子論の理論体系の統一に向けた課題である.本研究では,超伝導量子回路上で創生された擬似的ブラックホールを用いて,量子情報科学的アプローチによってブラックホールの情報パラドックスの解明を試みる.
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Outline of Annual Research Achievements |
1. ホーキング輻射観測に向けた取り組み これまでに我々は,ジョセフソン伝送線路に存在するソリトンを用いて,回路中の電磁波速度を空間的に変調し,電気回路上に擬似的にブラックホールを創生した.そこでは,4波混合により,ホーキング輻射が増幅される.しかし,一般に4波混合過程では,シグナルとアイドラの周波数はポンプの周波数に近く, これらの分離が困難なため,ホーキング輻射の観測の障害となる. そこで,超伝導非対称非線形誘導素子で実現されるシグナルとポンプの周波数が離れた3波混合を用いてホーキング輻射が増幅される新たな擬似的ブラックホールを考案した.この回路では既にマイクロ波エンタングルメント・フォトンが生成されることが実験においてが報告されており,ホーキング輻射の実験的観測が期待できる.また,数値計算により,ソリトン・ブラックホールの伝播特性を調べ,具体的な実験条件を求めることができた. 2. ブラックホールソリトンの減衰過程の定式化 これまで,我々は,ブラックホールは定常的なものとして扱い,ホーキング輻射が放出された際の反作用を考慮してこなかった.しかし,実際にはホーキング輻射により,ブラックホールからエネルギーが取り出され,ブラックホール自身がエネルギーを失うため,ブラックホールは小さくなることを考慮する必要がある.ホーキング輻射が引き続き起きると,最終的には,ブラックホールは消失(蒸発)する.このブラックホール蒸発過程を我々のシステムにおいて再現することを試みた.具体的には,ソリトンとホーキング輻射の相互作用を取り入れることにより,ソリトンの減衰の定式化に成功した.これにより,ブラックホールが蒸発した後にブラックホールの内部にある情報が保持されるか,消去されるかというブラックホールの情報パラドックスを考えるための土台を確立することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで提案されてきた擬似的ブラックホールにおいても容易でないホーキング輻射の観測を飛躍的に改善する新たな擬似的ブラックホールを提案した.国内の学会3件と国際会議3件の発表,並びに論文1件が査読中である.また,計画通りそのシステムにおいて,ホーキング輻射のソリトンへの反作用を定式化することで,情報パラドックスの研究の舞台を準備することができた.研究計画がおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
1. 超伝導量子回路における擬似的ブラックホールの量子減衰過程の定式化 これまで,ソリトンとホーキング輻射の相互作用を取り入れ,半古典近似の元で,ソリトンの減衰の導出に成功した.今後は,それらの量子相関に注目し,ソリトンとホーキング輻射のエンタングルメント・エントロピーなどを評価する予定である. 2. 非平衡量子トンネリングを基にしたホーキング輻射理論の構築 相対論版Caldeira-Leggettトンネル理論を用いて,量子ゆらぎによって対生成される多数の粒子が,トンネル粒子に対して環境粒子として作用することを取り入れ,ホーキング輻射を取り巻く環境に情報が記録されるという仮説を研究する.そのような状況では,システムは非平衡にあると考えられるので,ゆらぎの定理をもとに非平衡熱力学との関係を明らかにし,ブラックホールの熱力学的特性とトンネル効果を通した量子力学的特性の関係を明らかにする. 3. 情報パラドックスの検証 以上をもとに,情報パラドックスの検証方法について検討する.上で定式化された擬似的ブラックホール・ソリトンの減衰過程をもとに,現実の宇宙空間にあるブラックホールでは確認できないPage理論を実験室系で検証可能にするシステムを提案する.
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)