Project/Area Number |
22K20467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0304:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大川 碧望 日本大学, 理工学部, 助手 (50961546)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 美術館 / 非公開エリア / バックヤード / 収蔵庫 / 調査研究 |
Outline of Research at the Start |
美術表現が「絵画」や「彫刻」から「インスタレーション」「パフォーミングアート」へと多様化したことで、「展示」の場が変化したように、収蔵庫や事務室などの「保存」「研究」の場も変化していると考えられる。 美術館の展示室の研究や、展示室外の公開エリアとしてエントランスやカフェなどの研究が行われる一方で、美術館の保存・収集の役割を担う収蔵庫や、美術館の運営・研究の役割を担う事務室などの非公開エリアの研究は多くはない。そこで、毎日使用している学芸員を含む美術館職員に目を向け、収蔵庫や事務室などの利用状況や公開エリアとの関係を探ることで、より良い美術館計画を行うことができると考えた。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、美術館の基本機能である、「収集・保管」「展示」「調査研究」のうち、非公開エリアで行われる、「収集・保管」「調査研究」に着目し、調査を行うことで、美術館の建築計画の一助となることを目的としている。 調査協力を得られた美術館の実地調査に加え、定量的なデータを収集することを目的として、全国の市区町村立美術館を対象にアンケート調査を2回実施した。2回のアンケート調査より、延床面積より収蔵庫、一時保管庫、前室の面積比と構成の実態がわかった。収蔵庫総面積より室数と各収蔵庫の面積比の実態を示したが、6割以上の施設が不満を感じていることがわかった。温湿度はよく運用される設定値を示したが、設定自体ではなく一定に保つことを重要視していることがわかった。仕上げは、床・壁・天井ともに木材を用いることが多く、壁・天井は近年では調湿材を用いることが増え、調湿効果のある建材を使用している。評価も高いことから、現状に大きな問題はないといえる。収蔵庫内に必要とされる設備と道具では、現状整備されていない具体的な要望として、ネットワーク設備と用具入れをあげた。一時保管庫は4分の1の美術館にしか設置されていないが、重要性が高いことを明らかにし前室は収蔵庫内の空気の流出入を防止するためだけでなく、備品や未燻蒸品の仮置き、展示替えの際の作業スペースとしても活用されていることがわかった。今後の課題としては、図面を用いた施設の配置計画や動線の検討を行うとともに、同じ条件でも異なる評価がなされている理由を解明するべく実地調査を行い、調査分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査協力を得られた美術館の実地調査に加え、定量的なデータを収集することを目的として、全国の市区町村立美術館を対象にアンケート調査を2回実施した。2回のアンケート調査の分析と整理を行い、収蔵庫、一時保管庫、前室の施設計画と利用の実態を整理し、それらの諸室に要望されている配置計画や設備などを明らかにした。これらの分析に時間がかかり、論文としてまとめるのに時間を要してしまったため、「やや遅れている」と判断している。上記内容がまとまり、日本建築学会計画系論文集に投稿し、審査結果待っている状況のため、今後は図面の分析を進めることを並行し、査読内容の修正等をおこなっていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアンケート調査の分析を行い、大方まとめることができ、日本建築学会計画系論文集への投稿後の審査待ちの状態のため、今後は査読内容の修正等を行なっていく。 上記と並行し、図面による調査を行い、収蔵庫の形状やその他関連諸室との配置計画の分析を行うことで、収蔵庫や一時保管庫、前室などの諸室と関係諸室との配置計画の実態や分類等を行い、今後の美術館のバックヤードの建築計画の一助となるデータとなるよう、整理を行う。また、図面分析と並行して実地調査も継続して行い、施設計画の使いやすさや、展覧会時やイベント時など、施設の運営状況に合わせたバックヤード動線の実態を把握し、調査結果をまとめる。
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